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ヘッドライトの殻割りの方法と工賃について|コーキングや割り戻しから失敗した時の対処法も

車の印象をガラリと変えるヘッドライトチューン。しかしそれを実行するためにはヘッドライトの殻割りという作業が立ちはだかります。この記事ではD.I.Y.による殻割りと割り戻しの方法、また近年増加傾向にある非分解式ヘッドライトの殻割りについても解説します。とはいえ失敗のリスクが高い作業なので施工会社にお願いするのも一つの手。その際の工賃についても解説します。

ヘッドライトの殻割りとは?

車 LEDヘッドライト

車のヘッドライトは人間の顔でいうなら目に当たる部分。
ヘッドライトのカスタムは、いわば車のアイメイクです。
例えば、ヘッドライト内部を黒く塗装するだけで、車全体の印象がキリリと引き締まります。

大きく車の印象が変わるので、ヘッドライトのカスタムは人気のドレスアップチューンとなっています。
しかし、カスタムするにはヘットライトの本体と透明のレンズを分離させる「殻割り」という高難易度の作業を行わなくてはいけません。
ヘッドライトの「殻割り」と、それを元に戻す「割り戻し」作業の解説をしていきます。

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殻割りの方法

殻割り作業の動画です。
動画でも使われている、握ると開くスナップリングプライヤーがあると便利です。

多くのヘッドライトは、バルブを取り受けるハウジング部分と化粧板であるヘッドライトインナー、そして透明レンズの3つの部品で構成されています。
ハウジングとレンズはネジ、フック、ブチルゴムで固定されています。
このブチルゴムを加熱して接着を解いてやるのが殻割り作業の概要です。

殻割りを始める前の下準備

殻割りを始める前の下準備としてヘッドライトを車両から取り外します。
レンズを固定しているネジがあれば取り外し、手早く作業できるように、フックの位置を確認しておきましょう。
レンズ面を養生テープなどでマスキングしておくと作業時の傷防止になります。

準備するもの

・ヒートガン・ドライヤー
ヒートガンとは工業用ドライヤーです。
家庭用のドライヤーとはケタ外れの熱量を持ちますので火傷にはくれぐれもご注意ください。
またその熱量ゆえに、プラスチック製のヘッドライトを簡単に溶かしてしまうので、加熱のしすぎには注意をする必要があります。

・保温ボックス
保温ボックスは、ヘッドライトがすっぽり入るサイズの段ボールを用意し、ドライヤーが入る穴をあけておきます。

・ヘッドライトをこじるためのヘラもしくはマイナスドライバー
細いマイナスドライバーは局所的に力がかかるので、レンズが割れやすくなりますので注意が必要です。
なるべく幅の広いプラスチック製や木製のヘラが扱いやすいでしょう。

・割り箸数本
開いたレンズが戻らないようにするつっかえ棒として使います。

・手袋
火傷をしないための手袋です。
軍手でもよいのですが、ブチルゴムが付着せず作業性の良い薄手の革手袋がベストです。

保温ボックスで全体を加熱

まず、保温ボックスに殻割りをするヘッドライトを入れます。

次にボックスにドライヤーを差し入れ、内部をサウナ状態にしてブチルゴム全体を加熱します。
このときヘッドライトに熱風が直接当たると、ヘッドライト自体が溶けてしまうので注意してください。
可能ならばボックス内部に温度計を設置しましょう。

50〜60℃を目安に、おおよそ20〜30分間加熱することでブチルゴムが柔らかくなります。
ヒートガンなら短時間で加熱できますが、火事の危険性が高まりますので家庭用ドライヤーをおすすめします。

作業時は火事に注意し、くれぐれもその場を離れないようにしてください。

殻割り作業手順

フックを外しながら、ハウジングとレンズの隙間にヘラを差し入れ、テコの力でレンズを浮かせます。
角付近から作業開始するのがやりやすいと思います。

レンズを持ち上げると、加熱されたブチルゴムが延びてレンズが浮き上がります。
すかさず、浮き上がってできた隙間に割り箸などを挟み込み、元に戻らないよう、つっかえ棒をします。

さらにレンズを持ち上げ、新たに広がった隙間につっかえ棒を差し入れながらレンズを剥がしていきます。
レンズ全体がハウジングから剥がれれば成功です。

殻割りのコツ

レンズを持ち上げる際、力任せに剥がそうとするとレンズやハウジングが割れてしまう恐れがあるので、一定の力を加えて徐々にブチルゴムが延びるのを待つような感覚がポイントです。

ブチルゴムが冷えると再び硬化してしまうので、ゆっくりかつ手早く作業しなければいけないのが難しいところです。
ブチルゴムが硬くなってきたら、ドライヤーやヒートガンで温めながら作業するか、再び保温ボックスに入れて加熱してみましょう。

できることなら解体屋などで練習用のヘッドライトを入手して、感覚を掴んでから本番に挑むことをおすすめします。

割り戻しの方法

殻割り〜割り戻しの一連の動画です。
割り戻しのコツが丁寧に解説されています。

割り戻しとは、殻割りで外したレンズを元に戻す作業で、「殻戻し」「殻閉じ」とも呼ばれます。

殻割りに比べれば簡単そうですが、取り付け位置がずれたりすると、ブチルゴムが周囲に付着して余計な手間が増えてしまいます。
そのため、割り戻しには一発で戻す正確性が求められます。

準備するもの

・ブチルゴム系シーリング剤
防水用のシーリング剤です。
ブチルゴムが足りない場合は補充してやる必要があります。
ホームセンターで売られているシリコンシーラントでは加熱しても軟化しないので、必ずブチルゴム系シーリング剤を使います。

・コーキングガン
シーリング剤を圧送するためのガンです。

・手袋
火傷をしないための手袋です。
軍手でもよいのですが、ブチルゴムが付着せず作業性の良い薄手の革手袋がベストです。

割り戻し作業手順

殻割りした際に、ブチルゴムが十分に残っている場合はそのまま再利用します。

途切れている部分や不足している部分があればそこにブチルゴムを補充しましょう。
途切れたり不足していると、ヘッドライト内に湿気が入り込みやすくなり、結露や雨漏りの原因になりますので、しっかりと防水してください。
また、ブチルゴムが多すぎるとレンズを戻した際にハミ出て周囲を汚してしまうので、最初に付いていた量を参考にブチルゴムを追加します。

レンズを戻す際はズレたりしないように確実に戻します。

レンズを元に戻したらネジやフックを取り付け、再び保温ボックスに入れて加熱してやることでブチルゴムが定着し、確実な防水性が期待できます。

十分暖まったら、保温ボックスがら取り出して冷却します。
ブチルゴムが完全に硬化したら完了です。
その際、はみ出たブチルゴムがあれば除去します。

車両に取り付け、光軸調整を忘れずに行いましょう。

熱で殻割りできないヘッドライトは超音波カッターで

超音波接着されたヘッドライトが採用される3代目トヨタ ハリアー

トヨタ ハリアー 2015年

熱で溶けない材質でシーリングされたヘッドライトや、近年増加傾向にある超音波溶着されたヘッドライトは要注意です。
これらのヘッドライトはいくら温めようとも殻割りできません。

溶けないシーリングが使われたヘッドライトは分解できるかの見極めが難しいところですが、溶着されたヘッドライトはシーリング剤自体が使われていないので、よく見れば可否判断ができるかと思います。

目安としては、輸入車のほとんどが熱で分解できないタイプです。
国産車では3代目トヨタ ハリアー、マツダ CX-3、3代目アテンザなど、2012年あたりを堺に溶着型のヘッドライトを採用する車種が増えてきています。

そのため、今後発売される新型車種はヘッドライトを殻割り分解することが難しくなるでしょう。

分解できなければ超音波カッターで切断

溶着型ヘッドライトの登場で、分解することは難しくなりますが、できないわけではありません。
熱で分解できなければ、接着部分を切断してしまいましょう。

その作業に便利なのが超音波カッターです。
超音波カッターは1秒間におよそ4万回もの振動で、プラスチックをまるでバターのように切ることができるため、溶着されたレンズ周囲をカットできます。

場合によっては装着時に隠れてしまう部分のレンズやハウジングをバッサリと切る必要もあります。
そのためヘッドライトをよく観察し、どのように切るかをしっかりとした計画を立ててから実行することが大切です。

融着型ヘッドライトの割り戻し

カットしたレンズを元に戻すには、ブチルゴムでは接着強度が足りません。
そのため。融着型ヘッドライトの割り戻しには接着剤を使います。
ただの接着剤ではなく、プラスチックを溶かしてくっつける溶剤接着剤を使う必要があります。

溶剤を切断面に流し込み、完全に硬化させた後、コーキング剤で切断部分を防水して作業完了です。
溶剤を扱う際は、溶剤中毒防止のため風通しの良い場所で作業を行ってください。

便利な超音波カッターの価格は高め

超音波カッターの切れ味がよく分かる動画です。

プラスチックなどをたやすく切ってしまう超音波カッターは非常に便利ですが、ネックとなるのはその価格です。
業務用のものでは10万円以上。
ヘッドライトの殻割りには、工作用の簡易的なものでも十分ですが、それでも3万円〜5万円と高価です。

そこで、ホームセンターなどでの超音波カッターのレンタルをおすすめします。
扱っているお店は少ないかもしれませんが、2泊3日で5,000円程度でレンタルすることができます。

振動による熱で抜群の切れ味を発揮する超音波カッターは、火傷や怪我に注意しましょう。

殻割り失敗時の対処方

驚く女性

殻割りの失敗例を挙げてみます。

融着型ヘッドライトの場合は「切るべきでない場所を切ってしまった」「接着剤がレンズに付着して溶けてしまった」などがあります。
事前にレンズ面を養生テープで保護するなどの対策をしておきましょう。

熱分解によるヘッドライトでは、レンズやハウジングに無理な力をかけ過ぎたための割れ、加熱しすぎによる融解がよくある事例です。
特に、経年劣化によりレンズに細かな傷が無数にできた状態のヘッドライトは割れる可能性が高いので注意しましょう。

日産 S15 シルビアとR34 スカイラインには社外品の“ワイズスクウェア・リペアレンズキット”が販売されています。
以上の2車種ならレンズが割れてしまった場合でも対処可能です。
しかし、その他の車種はレンズ、ハウジングの単品での販売はしていないので、失敗した場合は新品交換、もしくは中古品を探して交換しなければいけなくなります。

失敗しないために最も重要なことは「決して無理をしない」こと。
これが殻割りの成功の秘訣といえます。


以下は“ワイズスクウェア・リペアレンズキット”を使った、殻割り〜割り戻しの作業動画です。

殻割りの工賃

メカニック 作業員 メンテナンス

ヘッドライトの殻割りは非常に難易度の高い作業です。
失敗したときのために予備のヘッドライトを用意したいところですが、ヘッドライトの新品価格は安いものでも2万円~とかなりの高額です。

そのため、D.I.Y.を楽しみたい方ならともかく、ドレスアップ自体が目的ならば施工会社に委託するという手段もあります。
ヘッドライトの脱着工賃は4.000円から7,000円ほど。
熱分解できるヘッドライトの殻割り作業工賃は左右で3万円前後が相場になります。
融着式のヘッドライトの分解は、作業の特殊性のため、要問い合わせとしているところがほどんどです。

ヘッドライトの殻割りは、施工できる施工会社は限られますが、確実な作業のうえ水漏れ保証付きのサービスを展開する施工会社が多数です。
それならば3万円という価格でも安いと言えるでしょう。
ヘッドライトドレスアップを専門に扱う施工会社も増えてきていますので、ご近所の施工会社をチェックしてみてはいかがでしょうか。

殻割りができればヘッドライトカスタムは自由自在!

自分でヘッドライトの殻割りができると、ドレスアップの幅が格段に広がります。

ヘッドライトはメッキ部分をブラックアウトしたただけでも精悍な顔つきに変身します。
BMWやAudiのような、特徴的なスモールランプやウィンカーにカスタマイズするのもおもしろいでしょう。
配向性の良いプロジェクターランプを移設するといった大胆な方法もありますし、経年によるヘッドライトの黄ばみをとるのにも役に立つのが殻割りです。

この記事を呼んで殻割り作業にチャレンジしてみようと思っていただけたらとてもうれしく思います。
殻割り作業は刃物や高熱を扱う作業のため、怪我や火事などないようにお願いいたします。

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