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公用車とは?センチュリーやテスラなど、都知事や首相、全国47都道府県の車種|2022最新情報

公用車とは?

トヨタ センチュリー 3代目
“黒塗りの公用車”の代名詞とも言えるトヨタ・センチュリー

公用車とは民間企業における社用車に当たり、官公庁や地方自治体などの公的機関が業務に使用する自動車のことを指します。

広義の意味ではパトカーや消防自動車などの緊急自動車や、官公庁が所有するバスやトラック、職員が連絡用に用いる小型車や軽自動車なども公用車とされますが、ここでは政府の政務官以上の役職(首相や国務大臣を含みます)に就く国会議員、自治体の首長などに与えられた専用車、所属議員の数に応じて衆参両院の各政党に割り当てられた乗用車について話を進めて行くことにします。

公用車に使用されている車種

レクサスLS
センチュリーとともに内閣総理大臣専用車(首相の公用車)として運用されているレクサスLS600。石原慎太郎元東京都知事、石井隆一富山県知事も公用車として使用したが、「自治体の首長クラスにこれほどの超高級車が必要なのか?」との批判もある

公用車として導入実績のある日産フーガ。前任のセドリック/グロリアはまとまった台数が公用車として利用されていたが、それに比べるとフーガは台数が少なく、永田町周辺でもあまり見かけない

日産 フーガ 2015年型
日産 フーガ 2015年型

一般に公用車は行政施設への乗り入れや、公的式典への参加を前提としているため、基本的には排気量2,000cc以上のフォーマルなセダンとなります。

塗装色は黒が基本ですが、地方自治体が所有する白やシルバーなどのボディカラーもあるようです。いずれにしても地味な塗装色であることは言うまでもありません。

国産車が性能的に劣っていた戦前や、米軍統治下にあった戦後間もない頃は、キャデラックやビュイック、リンカーン、パッカード、クライスラー、メルセデスベンツなどの輸入車が公用車として使われていたこともあります。

近年ではセンチュリーやクラウン、レクサス、フーガなどの国産高級車が公用車の主力となっています。

セダン以外の公用車も増えつつある

トヨタ プリウス 2017年
トヨタ プリウス 2017年
近年、公用車として導入例が増えているトヨタ・プリウス。燃費性能と環境性能の高さからセンチュリーの代替となるケースも少なくない

最近では環境意識の高まりから衆参両院や地方自治体の公用車の中にはプリウスやミライなどのエコカーも導入されています。

また、地方自治体の中には移動オフィスとしての機能を重視して、アルファードやヴェルファイア、エルグランドなどの高級ミニバンを首長専車として導入するケースも見られます。

首相に使用されている公用車

首相の公用車は「内閣総理大臣専用車」とも呼ばれ、1967年以来長らくトヨタ・センチュリーが利用されてきましたが、2008年6月に成立した第91代福田康夫内閣からは燃費性能と環境性能に優れたレクサスLS600hLも並行して使用されるようになりました。

首相が外出のため移動する際は、セキュリティーの問題から公私問わず公用車を使用することになっており、警視庁のセキュリティポリス(SP)による身辺警護が必ずつくことになっています。

テロ対策もバッチリな首相専用車

ケネディ暗殺事件
出典:wikipedia.org Author:Bradipus パブリック・ドメイン
1963年11月に発生したケネディ大統領暗殺事件を契機に日本でも首相公用車のテロ対策が図られるようになった

首相の公用車は一見すると市販のセンチュリーやレクサスと同じように見えますが、テロ対策として防弾ガラスや特殊鋼の装甲が施された特別仕様となっています。

保安上の理由から詳しいスペックは明らかにされてはいませんが、おそらくはアサルトライフルによる攻撃程度なら防げるようです。

そして、フロントグリルの外側もしくは内側と、リアバンパーにはLED光源の青灯が装備されており、首相乗車時にはこれを点灯させて走行します。

首相乗車時は単独で運行されることはなく、SPを乗せた警護車両(センチュリーやクラウン、レクサスなど)が最低でも前後2台つきます。さらに必要に応じて警護車両やパトカー、白バイが護衛に加わることもあるようです。

熊本地震で安倍首相が利用した民間のバス。首相の地方視察などでは自治体所有の公用車が使用されるケースが多いですが、災害視察などの場合は写真のようにチャーター車を利用することもあります。

熊本地震で安倍首相が利用したバス
出典:Copyright©️ 2017 山崎龍 All Rights Reserved.

アメリカにおける公用車とは?

オバマ氏やトランプ氏が乗ったキャデラック プレジデンシャルリムジン(2009年)

アメリカの公用車として、まっさきに挙がるのは大統領専用車である通称「ビースト」。

大統領専用車は市販車ではなくGM(ゼネラルモーターズ)のオーダーメイドであり、キャデラック・ワンとも呼ばれています。

ドアの厚さは20cm以上、防弾ガラスの厚さは12cm以上にも達し、フロアにも入念な補強が施され、ロケット砲も爆弾を効かないといわれています。車内は気密性も保持され生物・化学兵器への対策も万全。ペンタゴン(アメリカ国防総省)と直接つながる衛星通信システムも搭載され、ホワイトハウスの執務室の代わりとして機能するとのことです。

推定価格は1億7,000万円とされ、トランプ前大統領がさらに17億円をかけてアップデートした車両は2019年のトランプ前大統領来日、2022年のバイデン大統領の来日時に大統領専用飛行機エアフォース・ワンで日本へ運ばれました。

走行時は、前後に異なるナンバーを付けた2台のビーストが同時に走り、大統領がどちらに搭乗しているか襲撃者に悟られないよう配慮されます。野獣の名を与えられた「ビースト」は世界最高峰のセキュリティ性能が与えられた最強の公用車と呼べるでしょう。

国会議員に使用されている公用車

トヨタ クラウン セダン 6代目
トヨタ クラウン セダン 6代目
タクシーなどの営業車として使用される機会が多いクラウン・セダンは、国会議員用の公用車の主力車種として活躍中。なお、国会議員用の公用車にはプリウスなどのハイブリッドカーもある

現在、衆議院は133台、参議院は97台の公用車を所有しており、専用車があてがわれる正副議長と各委員長を除き、所属議員の数に応じて衆参両院の各政党に公用車は割り当てられています。

分刻みのスケジュールで動く国会議員は、迅速な移動を求められるケースも少なくなく、移動中も機密性の高い連絡を取り合うことが多いため、セキュリティ上のことも考慮して公用車の使用が認められているのです。

税金で運行されるため議員に請求書は届かない

衆参両院の公用車は総務省が管理を行っており、運転するドライバーは総務省の職員となり、運行に関わる経費は税金で賄われています。

そのため、タクシーやハイヤーと違って利用した国会議員に運賃が請求されることはありません。

割り当てられた公用車が空いていれば国会議員なら誰でも利用でき、党幹部の専用車として使用されたり、自動車を持たない議員のアシとして利用されたりすることが多いようです。

一応、「利用は3時間以内」というルールがありますが、かなり柔軟に運用されているようで、公用車のスケジュールが空いていれば時間をオーバーしても問題とならないようです。

公用車による保育園送迎は認められないか?

2017年6月、自民党の金子恵美議員が子供の保育園への送迎に公用車を使用したことが問題となりました。しかし、公用車の運行ルールでは「公用車を使って国会議員を送迎する場合、移動経路が大きく外れることがなければ、私的な利用で議員以外の同乗者を乗せても問題ない」ことになっています。

すなわち、「自宅→私用→公務」と「公務→私用→自宅」の経路での公用車使用は認められているのです。

金子議員は世間への配慮から「公用車での子供の保育変への送迎は控える」とのコメントを発表しましたが、ただでさえ多忙な国会議員が子供の送迎に公用車を使用しないことは時間と労力のロスであり、円滑な議員活動の妨げとなります。

少子化が国を揺るがす大きな問題となっている昨今、政府が推進する「働く女性の子育て支援」にも逆行することにもなり、金子議員の公用車による保育園送迎は批判されるようなこととは思えません。

議員公用車への同乗体験

実は筆者も国会議員用の公用車に相乗りさせてもらったことがあります。

とある国会議員への取材で、先方は時間がどうしても取れないとのことから、講演会に行く往路で車内インタビューとなったのです。筆者は議員会館へバイクで向かい、来客用の駐車場に愛車を停めてから議員と合流。

そのまま一緒に公用車に乗りこみ、車中で議員からのコメントをもらいました(ちなみに公用車の車種はクラウン・セダンでした)。

目的地の講演会場に到着し、議員がクルマを降りてからは筆者はバイクを置いてある議員会館に戻るため、そのまま公用車に乗せて行ってもらうことにしました。

ドライバーに議員以外の人間が公用車に乗車して問題ないか尋ねると、「国会議員に用事のあった方ですし、回送扱いのクルマに同乗しているだけなので問題はありません」とのこと。なかなか一般人が乗る機会がない公用車だけに貴重な体験をさせてもらいました。

なお、乗り心地はタクシーなどに使われているクラウン・セダンとまったく変わりがありませんでした。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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