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車のダンパーの意味とは?車高調やサンスペンションとはどう違う?

車の乗り心地と操縦安定性の要となるサスペンションダンパーの解説です。ダンパーの構造や意味と役割を説明していますので、アフターマーケットの車高調やダンパー選びの参考にしていただければ幸いです。

ダンパーの意味

ダンパーとは、振動などの運動エネルギーを内部構造の抵抗により減衰させることで、対象に加わるエネルギーを吸収または安定させる装置です。
この作用を"減衰力"と言い、建物の免震機構や、産業機械の制振機構にも使われます。

ダンパーのダンプ(dump)とは、「ゴミを捨てる」「集積場」などの意味をもちますから、無駄な運動エネルギーをゴミとして、少しづつ捨てる装置といえるでしょう。
とはいえ近年では、車に一般的なオイルダンパーの代わりにモーターを使い、サスペンションに働く振動を電気エネルギーに変換するシステムである"eROTシステム"がアウディによって開発されています。

車におけるダンパーの役割

ショックアブソーバー

出典:©iStockphoto.com/ pomxza

ダンパーは、車のサスペンションを構成する部品の一つで、別名ショックアブソーバーとも呼ばれます。
金属製の筒の中に充填されたオイルの中を、小さな穴のあいたピストンが通る抵抗によって減衰力を発生させる構造。
大きく早い力をゆっくりとした動きへと変化させる作用を持ち、金属バネであるスプリングとの組み合わせることで車に加わる動きと振動を制御します。
走行中の車のバネは、路面からの入力を受けて縮み、元に戻ろうとして伸び上がる動きを延々繰り返します。

その常に繰り返される上下運動を収束させると同時に、車体の姿勢変化のスピードを決めるのがダンパーの役割なのです。
そのため、車の乗り心地と操縦安定性にもっとも影響する重要な部品です。

車高調におけるダンパー

ホンダ アコードのダンパー

ホンダ アコード 2016年型 振幅感応型ダンパー

ドレスアップやスポーツ走行には欠かせない要素であるローダウン。
車高を落とす際に使われる車高調整式サスペンション(車高調)においてもダンパーが大きな役割を果たします。
車高を下げるということは、タイヤとボディのクリアランスを狭くするということですから、必然的にサスペンションのストローク量が制限されてしまいます。
走行中にストロークの限界に達してしまうと、激しい突き上げにより、大きく乗り心地を損ない、さらに高速走行時にはサスペンション特性の急激な変化により、車の挙動を大きく乱す原因にもなります。

そのため、車高調では可能な限り大きなストローク量を確保すると同時に、より反発力の強いスプリングを使用することで、車の動きを制御します。
反発力の強いスプリングほど、大きくな力で速く動くことになりますので、バネレートの強いスプリングを使用するほど、その動きを押さえ込む強力なダンパー減衰力が必要になってきます。

ダンパーの構造

車のダンパーの構造には、二つの種類があります。
ダンパーのオイル室が二重になった複筒式と、一本の筒で構成される単筒式。
それぞれにメリットとデメリットがあります。

複筒式ダンパー

二重になった筒の内側にはオイルが充填され、外側にはガスが封入されたものを複筒式(ツインチューブ)ダンパーと呼びます。
多くの車種で純正採用される構造で、比較的少ないコストで生産できるのがメリットです。

また、並列の配置されたオイル室とガス室のおかげでストロークが確保しやすい点と仮にケースがダメージを受けても動作できる点がメリットです。
その反面、外側のガス室が断熱効果を果たすため放熱性が悪く、オイル内部で気泡が発生しやすいため、性能劣化を起こしやすいのがデメリットです。

単筒式ダンパー

複筒式ダンパーに対して、一本のシリンダーによって動作するダンパーは単筒式(モノチューブ)ダンパーと呼ばれます。
減衰力を発生させる内部バルブ径を大きくできるため、わずかな動作量でしっかり減衰力を発生させ、より緻密な車体制御を可能にします。

高圧ガスでオイルが加圧されているため、気泡が発生しにくく、安定した動作が可能になる点もメリットです。
これらのメリットから、モータースポーツシーンで多く採用されます。
単筒式ダンパーはオイル室とガス室が直列に配置されるので、ストローク量の確保が難しい構造です。

また、高圧ガスによるオイル漏れを防ぐ目的で、オイルシール性を高めるために初期動作の抵抗が渋くなってしまうのが、走行性能におけるデメリットです。
各部品の精度が重要なため、どうしてもコスト高になってしまうのと、ケースが潰れたりすると完全に動作不能となってしまう点もデメリットとして挙げられます

どちらが良いダンパー?

コスパを優先して、ある程度の乗り心地と走行性能を確保するためならば、多くの車種で純正採用される複筒式を、ダンパー性能を求めるのであれば単筒式ダンパーという選択になります。

単筒式のストローク量を確保するための別タンク式ダンパーなど、それぞれのデメリット解消するための機構を備えたダンパーもあります。
その分コストも跳ね上がりますので、予算と使用目的に合わせた選び方が必要です。

究極のダンパー

新型アウディ R8に搭載されるフルアクティブサスペンション

アウディ フルアクティブサスペンション

車のダンパーについてご紹介してきましたがいかがでしたか?

ダンパーは車の乗り心地と操縦安定性にもっとも影響する重要な部品です。
アフターマーケット品のダンパーには、減衰力調整機構が着いたものも数多く販売されているため、場合に応じて乗り心地と操縦安定性の両立が可能です。
さら高い性能を求めるのなら、メーカー採用される電子制御式のアクティブサスペンションが現在における究極のダンパーといえるでしょう。

電子制御により、路面状況や速度など車両の状態に合わせて自動的に最適なダンパー特性に調整してくれるアクティブサスペンションシステムは年々進化を続けています。
ナビゲーションシステムと連動して、先の道路状況を先読みしてサスペンションを設定するトヨタの”NAVI・AI-AVS”や、カメラで路面状況を読み取るアウディの新しいフルアクティブサスペンションなどメーカー各社独自のシステムで開発されています。

また、ダンパーオイルに磁性耐を混ぜ込むことで、電磁力によりオイル粘度を自由自在に変化させ、これまで実現できなかった、高い応答性と緻密な減衰力制御を可能とした"マグネッティックダンパー"もポルシェ、アウディなどの一部車種で採用されています。
高い次元での、乗り心地と操縦安定性の両立のため、メーカーが莫大なコストをかける必要がある重要な部品。
それが車におけるダンパーという部品です。

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