初めて車と出会う人の為の車情報メディア MOBY [モビー]

ブレーキ&クラッチマスターシリンダーとは?交換やオーバーホールについて解説!

ブレーキとクラッチを動作させるために必要なマスターシリンダーの構造と仕組みについて説明します。さらにオーバーホールとエア抜きの方法を解説。また、ブレーキの大型化の際にマスターシリンダー径を変える目的についても説明しています。

マスターシリンダーとは?

エンジンルームと車内との隔壁からニョキっと生えた、オイルの入ったタンクとその下の金属部品が、“マスターシリンダー”という部品です。
多くの自動車のブレーキ、クラッチは油圧によって動作しており、ブレーキペダルやクラッチペダルを踏んで、入力した力を油圧に変換する装置がマスターシリンダーです。

安定したブレーキ、クラッチ操作には欠かせない最重要部品。
それが、今回ご紹介するマスターシリンダーです。

クラッチの仕組みについてはこちら

マスターシリンダーの構造と仕組み

マスターシリンダー内にはフルードと呼ばれる動作油が充填されています。
フルードに、ペダルからピストンを介して圧力をかけることで、細い配管の先にあるブレーキやクラッチが動作する仕組みです。

注射器を想像していただければ理解しやすいかと思います。
2つの注射器同士をつないで、片側を押すと、反対側の注射器も同じ量だけ動きます。

自動車ではオイルを使い、圧力を媒介することで高圧、高温に耐え、高い応答性を発揮します。
シンプルな構造ですが、ブレーキという重要箇所なだけに信頼のおける構造といえます。
これが、自動車のマスターシリンダーによる油圧ブレーキ、クラッチの動作原理です。

マスターシリンダーの異常

マスターシリンダーはブレーキ、クラッチを動作させる重要保安部品です。
異常がある場合は重大な事故につながる恐れがありますので、速やかに対処する必要があります。
もし、ブレーキの効きが悪い・ブレーキペダルが奥まで入る・フルードが黒ずむ・クラッチの入れが悪いなどの症状が出た場合は、マスターシリンダーのオーバーホールが必要かもしれません。

また、長い間動かしていない車や、ブレーキフルードを長い間交換していない車は、マスターシリンダー内が錆などで固着している場合がありますのでその場合もオーバーホールが必要です。

マスターシリンダーを構成する部品のうち、ピストンとシリンダーの隙間を埋めるのはゴムパッキンですし、ピストンを戻すのは金属スプリングの働きです。
磨耗したゴムパッキンや、金属疲労を起こしたスプリングを交換して新品の状態に戻してやるのがオーバーホールという作業です。

ブレーキフルードに関する情報はこちらの記事

マスターシリンダーのオーバーホール

マスターシリンダーはブレーキなどと同じく、重要保安部品に指定されていますので、オーバーホールの際は認定工場などの信頼のおける場所で整備してもらいましょう。
自分でオーバーホールすることも可能ですが、重要な箇所なので十分に注意して作業する必要があります。

準備するもの

●各車種用マスターシリンダーオーバーホールキット
●新品フルード
●フレアナットレンチ
●その他工具等

作業手順

具体的な方法は各車種で違いますので、整備書等で確認しながらおこなってください。
共通する、大まかな手順を説明します。

・フルードを抜いて、フレアナットレンチで各配管を外します。
・マスターシリンダーを取り外します。
・リザーバータンクを取り外します。
・ピストン固定ピンを外し、ピストンを取り出します。
・パーツクリーナー等で各部洗浄
・各部品の傷等をチェックします。
・グリスを塗布しながら消耗部品を交換
・元の状態に組み付けます。
・フルード注入
・エア抜き
・動作チェック

※整備士資格がなければ、自らが運転する車しか整備することができませんのでご注意ください。

※マスターシリンダー内やピストンに傷がある場合は交換が必要です。

※動作チェックは安全な場所で、安全と判断できるまで慎重に行いましょう。

※フルードは車の塗装を痛めますので、付着した場合は速やかに、水・パーツクリーナーで洗い落としましょう。

※エア抜きは、細い配管内に空気が入ることによって、ペダルを操作しても空気が圧縮されるだけ、という動作不良を防ぐための重要な作業です。

下記画像では特殊工具を使い一人で行っていますが、ペダルを断続的に踏み込みながら、配管から空気を抜かなければならないため二人以上での作業を推奨します。

マスターシリンダーの強化

ブレーキキャリパー大型化、強化クラッチを導入した際には、より径の大きなマスターシリンダーに交換されることがあります。
特にブレンボなど、大型のブレーキキャリパーに交換した際は、マスターシリンダーも交換しなければ十分に性能を発揮できない場合があります。

これはブレーキフルードの必要容量が増えたため、ブレーキペダルをより深く踏み込まなければブレーキピストンを押し切ることができなくなるためです。
また、極端な強化クラッチではクラッチの反力に負けて、マスターシリンダー内のシール圧力を保持できなくなるケースもあります。

そういった際は、大径のマスターシリンダーへの交換を必要とします。
ただ、マスターシリンダーを大径化するとペダルの踏力も、より大きな力が必要になりますので、それらも踏まえた上で検討する必要があります。

マスターシリンダーストッパーは必要?

マスターシリンダーストッパーの有無でシリンダーの動きが抑制される動画です。

マスターシリンダーストッパーというパーツがあります。
これはブレーキペダルを踏み込む力でマスターシリンダーが固定されている隔壁ごと、それ自体が動いてしまうことを防止する機能を持ちます。
マスターシリンダが動いてしまうということはブレーキペダルを踏む力が油圧に変換される際のロスになってしまいます。
それを防止するのがマスターシリンダーストッパーです。

このパーツを取り付けることで、ブレーキを踏んだ量だけ効いてくれるようになり、感覚的にブレーキコントロールがしやすくなります。
ボディ剛性の低い古い車や、ブレーキフィーリングの悪い車、サーキット走行等では特にその恩恵に預かれるでしょう。

しかし、弊害もあります。
マスターシリンダー自体を機械的に押さえつけるのですから、シリンダー自体に設計外の力が加わるため、マスターシリンダーの破損、フルード漏れを誘発してしまうのです。
取り付けにはよく考える必要があります。

ブレーキ・クラッチの要

地味な存在ですが、マスターシリンダーの果たす役割がいかに大きなものかご理解いただけたでしょうか?

マスターシリンダー自体は、よほど過酷な使用環境でない限り、定期的なメンテナンスは必要としませんが、フルードの量はちゃんと適正量が入っているか日頃からチェックする習慣を持ちたいものです。
またフルードは水分を含みやすいので、錆の発生やフルード内の水分が蒸発膨張してブレーキがに油圧がかからなくなるペーパーロック現象を発生させないためにも、定期的な交換をおすすめします。
最低でも車検ごとには交換するようにしましょう。

ブレーキ・クラッチに関する情報はこちら

車のメンテナンス・点検に関する情報はこちら

関連キーワード
キーワードから記事を探す


関連する車種/メーカー
車種/メーカーから記事を探す