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EFI・EGI・PGIなどの電子制御燃料噴射装置とは?仕組みと構造やメリットをまとめ

機械式キャブレターに代わり、今や自動車には欠かせない存在となっている電子制御燃料噴射装置。EFI、EGI、PGIの違いや、その仕組みと構造に迫るとともに、動作原理とそのメリットなどをまとめとして紹介しています。

電子制御燃料噴射装置とは?

電子制御燃料噴射装置とは、その名の通りエンジンが燃焼に必要な燃料を電子制御によって噴射供給する装置です。
EFI、EGI、PGIなど、メーカー各社で呼び名は違いますが、一般的に「(電子)インジェクター」あるいは「FIS(Fuel injection System)」と呼ばれます。
車のエンジン制御が電子化される以前は、流体力学を応用したキャブレターという装置が一般的に使用されていましたが、現在ではほぼすべての車がインジェクションシステムによって燃料供給を制御されています。

電子制御燃料噴射装置 各メーカー名称

名称メーカー
EFIトヨタ・ダイハツ・フォード・GM
EGI日産・マツダ・スバル
MPG-FIホンダ
EPIスズキ
ECI-MULTI三菱

その他、ボッシュ・ジェトロニック(ボッシュ)、ECCS(日産)、ECGI(いすゞ)、DFI(カワサキ)など、製造・自動車メーカーによって様々な呼び名が与えられています。
世界で初めて搭載されたのは、ガルウィングが特徴的なメルセデス・ベンツ 300SLです。

メルセデス・ベンツ 300SL

300SLには、ドイツのボッシュが開発した電子制御式燃料噴装置を搭載。
このときすでに筒内直接噴射システムを採用していました。

キャブレターの詳しい解説についてはこちら

燃料噴射装置の仕組みと構造

インジェクターは、およそ手の平にすっぽりと収まる大きさで、ポート噴射エンジンでは、エンジンのインテークポートの手前に付いています。(直噴エンジンではシリンダ上部に搭載)
インジェクターに供給された燃料は、燃料フィルターで不純物を濾過し、インジェクター内に常に充填されています。
「燃料を噴射せよ」と電気信号がインジェクターに入力されると、普段はバルブスプリングで閉ざされているバルブ弁が、ソレノイド動作によって解放され、さらにプランジャー(ポンプ)で加圧された燃料が先端のスプレーチップから霧状になって噴射されます。
その霧状燃料がエンジンに吸い込まれ、爆発燃焼したエネルギーが、ピストンを押し下げ、エンジンが動作する仕組みとなっています。

エンジンの仕組みの詳しい解説についてはこちら

インジェクターを操る頭脳

電気系統 精密機械

インジェクターだけではエンジンを動かすことはできません。
各種センサーが、エンジンがどれくらい燃料を必要とするかを計測し、コンピューター(ECU:Engine Control Unit)に情報を渡します。
そしてECUは必要な燃料の供給量を決定して、インジェクターに指示を与えます。
ECUの発した電気信号のon/offでインジェクターは動作します。

燃料を噴射する量を決めるセンサーには以下のようなものがあります。

●スロットルポジションセンサー:スロットルの開度を計測します。
●水温センサー:エンジンの水温を計測します。
●O2センサー:排気ガスに含まれる空気量を計測します。
●エアフロセンサー:空気の流量を計測します。

エンジンによってはエアフロセンサーの代わりに圧力センサーを用いる場合もあります。
各センサーの情報をもとに、ECUが回転数や負荷状況を加味し、最終的な燃料噴射量を決定します。
もし、燃料供給が不調の場合はエアフロセンサーの汚れなど、各センサーの情報が誤ってECUに伝達されている可能性もあります。

O2センサーについて詳しくはこちら

インジェクションの動作イメージ動画

電子制御燃料噴射によるメリット

VWエンジン ACT

気温・湿度・気圧の変動でも安定動作

コンピュータによる電子制御で動作するので、キャブレターのように気温・湿度・気圧による影響をあまり受けないことが最大のメリットです。
これにより、凍えるような寒さであろうが、真夏の炎天下であろうが、標高の高い山岳道路であろうが、あらゆる環境で安定した動作を可能にするのです。

メンテナンス不要

インジェクターは基本的にメンテナンスをする必要がありません。
普通に運転していれば、10年10万kmは問題なく安定して動作します。
とはいえ、もし故障した場合はユニットごと交換になるので、コストが高くなってしまうというのがデメリットです。
また、多少のメンテナンス不備があっても、動作してしまうので車両の異常箇所を確認しづらいというのもデメリットに当たるでしょう。

出力を出しやすい

エンジンは、そのときの状況により最も効率のよい空気と燃料の比率が決まっています。
また、微細に霧化された燃料はより高効率な燃焼を促進します。
電子制御燃料噴射装置では、その比率をより緻密にコントロールする事ができるので、エンジン性能を引き出しやすいといえます。
エンジンの温度や負荷状況によっても燃料噴射量をコンピュータが補正してくれるので、あらゆる状況で安定的かつ高効率なエンジン出力を可能とします。

省燃費・よりクリーンな排気ガス

一定の燃料で、より高い出力を出せるということは、燃料消費削減につながります。
また、一定走行時など大きな出力を必要としないシーンでは、薄い燃料で燃焼させることで燃費に貢献します。
それにより、限りある化石燃料の消費削減が可能になります。
さらに、エンジンの燃焼の際に発生する有害物質をより少なくなるようにコントロールすることで、地球の環境にも貢献しています。

現代の車を根本から支えるシステム

オープンカー ドライブ

電子制御式燃料噴射装置が普及して、車の煩わしいメンテナンスやエンジンの不調から解放されました。
そのおかげで、毎日遅刻することなく会社に出勤ができ、何の心配もいらず車で長距離ドライブを楽しむことができるようになったのです。
「どんな状況でも、一発でエンジンがかかる」
今となっては当たり前の生活が、電子制御燃料噴射装置の技術によって支えられているのです。
インジェクターという小さな部品が、どれだけ我々の生活を支えているか想像してみてください。

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