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【フェラーリ 512TR】V12の維持費は高い?中古車価格と試乗評価やテスタロッサとの違い

5L12気筒エンジンを搭載した当時フェラーリのフラッグシップです。テスタロッサ譲りの大型サイドエアインテークは迫力満点です。先代のテスタッロサからどこが進化したのか? また512TRを維持するのはどれくらいの費用がかかるのか?

フェラーリ 512TRとは?

フェラーリ 512TRは、1992年1月のデトロイト・ショーにて、フェラーリ テスタロッサの後継車として登場し、1994年まで製造された当時フェラーリのフラッグシップとして君臨していました。
最高出力は、テスタロッサの390PSから428PSに向上しました。
デザイン的にはテスタロッサの面影を残していますが、フロントのデザインが変更されたことにより、全体的に丸みを帯びた感じに見えます。
当時のスーパーカーの象徴のような存在であった、先代テスタロッサに採用されていたサイドの大きなエアーインテークにあるフィンは健在です。

車名の「512TR」とは、エンジンの総排気量5LV型12気筒から「512」とし、テスタロッサ(testarossa)の頭文字からの「TR」を取り、「512TR」と命名されました。

そんな512TRについて、テスタロッサとの違い、維持費、試乗、価格、維持の仕方についてまとめました。

フェラーリの歴史についてはこちら!

512TRのスペック

512TRは、先代のテスタロッサを大きく上回る性能を手に入れました。
最高速度 : 310 km/hで、当時のスーパーカーの中でも堂々とした性能です。

全長全幅全高
4,4801,9751,135
ホイールベース車両重量乗車定員
2,5501,5952
[単位]全長・全幅・全高・ホイールベース:mm 車両重量:kg 乗車定員:人
エンジン種類水冷180度V型12気筒(DOHC4バルブ)
排気量4,943L
最高出力[428] / 6,750
最大トルク[50.1] / 5,500
トランスミッション5速MT
駆動方式後輪
使用燃料ハイオク
[単位]最高出力:kW[PS]/rpm 最大トルク:N・m[kgf・m]/rpm

フェラーリ 512TRとテスタロッサとの違い

フェラーリ テスタロッサ 1991年型

一番の違いは目に見えないシャーシ部分です。
テスタロッサはエンジンを搭載しているサブフレームをシャシーにボルトで固定していました。
整備性を考慮してボルト止めとしていたのですが、そのためリアの剛性が不足することとなり、コーナーでは車体が捻じ曲がるのではないかと思えるぐらい頼りないものでした。
512TRではボルトを廃止し、溶接することによって本来の剛性を手に入れることができました。
またフレームにもテスタロッサには無かった補強をするなどして、512TRのシャシー剛性は格段に向上することになりました。

外装/内装の違い

外観の違いは大きく変わったフロントマスクのデザインです。
テスタロッサでは角ばっていたデザインを曲線を用いた柔らかいデザインに変更しました。
またテスタロッサでは、ブラックアウトしていたフロント/サイドスカート部分はボディ同色となりました。
フロント/サイドのスカート部分をボディ同色にしてあるテスタロッサは512TRを真似て後から塗装したものです。
リアのエンジンボネットのデザインも一新されています。
512TRでは、エンジンボンネットの搭乗者寄りの部分がブラックアウト化されていますので、テスタロッサとの違いは見ればすぐにわかることでしょう。

内装はシートが全く違う現代的なデザインになったことから、イメージが大きく変わることになりました。

5L12気筒エンジンを搭載するフェラーリ 512TRの維持費は高い?

フェラーリ F512 M テスタロッサ V12エンジン

出典:©shutterstock.com / Sergey Kohl

512TRを所有するために掛かる維持費は以下の通りです。

年間費用(円)条件/備考
自動車税88,0005,000cc 以下
重量税25,2002.5t 以下:車齢18年超 (*1)
自賠責保険12,9151年換算
燃料代135,000年間:5,000km 燃費:5km/L ハイオク:135円/L (*2)
合計261,115

(*1) 重量税は、車検証上の初年度登録からの年数(車齢)で金額が3段階に分かれます。
(初年度〜13年未満 / 13年経過〜18年未満 / 18年経過)
512TRは、最終生産が1994年です。初年度登録から23年を経過していますで、18年経過の金額を記載してあります。

(*2) 走行距離/燃費はオーナー情報により設定/ハイオク価格は変動します。

任意保険について

日本で、フェラーリの車両保険を取り扱う保険会社は数社しかなく、最近流行っているネット保険は全社取り扱い不可です。

任意保険は、「取り扱う保険会社」「保険の諸条件」「車両保険」「車両保険加入場合はその査定価格」によって大きく異なります。

主な諸条件としては、被保険者の等級、免許証の色、運転者の指定、年齢です。
特に等級は、20等級 / 無事故 /ノンフリート(総契約台数9台以下)ですと 63 %の割引が適応されます。

メンテナンス費用について

一番費用がかさむのは、タイミングベルト(タイベル)の交換です。
エンジンの脱着が伴うので工賃が高くなります。
単にタイベル交換だけであれば、工賃/部品代で約40万円程なのですが、折角エンジンを下ろしたので、ついでにあちこちメンテナンスすることが多いです。

・他のベルト類やガスケットの交換。
・補機類のメンテナンス
エンジンオイルにフィルターやクーラントなど消耗品の交換。
・エンジンマウントを交換するにはいいタイミングです。

そうなると更に30〜40万円程の費用が掛かります。
12気筒エンジンですから、乱暴ば言い方をすれば6気筒エンジンの2倍の費用が掛かると考えて、予算を組んでおいた方がいいかもしれません。

車の維持費に関するおすすめ記事はこちら!

試乗でわかったフェラーリ 512TRの真実

エンジンをかける際に特別な儀式は必要ありません。
意外かもしれませんが、MT免許をお持ちであれば普通に運転することができます。

高速道路は気持ちいい!

高速道路はとても気持ちよく走ることができます。
直進安定性が優れており、ワインディングを攻めるのではなく、ハイウェイのクルージング向きだと思いました。
クラッチは普通に運転している時は、そんなに重くは感じないのですが、さすがに渋滞にはまるとその重さにうんざりします。

駐車場では注意が必要

駐車場では、余裕を持って停める幅が足りません。
ほぼ2mの全幅は、日本のどの駐車場でもその大きさを持て余してしまいます。
タワーパーキングには入りません。
コインパーキングでは、古いストッパー装置には大きなものがあるため、フロントやリアの底を擦らないよう駐車場を選ぶ必要があります。
スーパーなどの駐車場に停めると、ドアパンチをもらってもおかしくないでしょう。

夜間走行

この手のスポーツーカーは共通することなのですが、車高が低いので、当然のごとく視線も低くなります。
夜間走行においては、後方車のロービムがドアミラーから目に飛び込んでくるのでかなり眩しいです。
夜間の運転はあまりしない方が賢明かもしれません。

試乗評価

オーナーに512TRの評価コメントを頂きましたので紹介します。

512TRのボデイサイズは日本の道路では少々窮屈です。
フロントに比べリアの方が幅広いので、裏道など狭い道ですれ違う時はリア幅を考えていないと擦ってしまいます。
購入当初は、高速道路の入り口で、フロントタイヤの位置だけを考えて進入し、リアタイヤを擦ってしまったことがあります。

荷物はフロント・トランクに積めますが、乗用車と同じというわけには行かず、大きさが限定されますので、あらかじめトランクは入るサイズのスーツケース、カバンを用意しておくのが無難です。

車体の大きさからくる回転半径の大きさも扱いづらいです。
切り返しが大変なので、狭めの駐車場への乗り入れは避けた方が無難です。
走る道を選ぶ必要がある車であることを忘れないようにしないといけません。

フェラーリ 512TRの現在の中古車価格は?

フェラーリ 512TR 1992年

状態のいい個体の多くが海外に流出しているのが現状で、中古車情報も10台程度しかありません。
現在日本で売りに出ている512TRの中古車の平均価格はおおよそ 1,600万円です。
走行距離は、20,000 km〜50,000km程度です。
年式よりも、車両の状態を優先しボディカラーにはこだわらない方がいいでしょう。

購入時の注意事項

高い値が付いている車の条件は
・走行距離が短い
・今までのオーナーが少ない
・車庫で保管されていた
・雨天未使用
・禁煙車
・当時のオプション満載
といったところです。
いい条件にも関わらず、価格が安い車には何か理由がありますので注意が必要です。
特にリアのショックアブソーバーは、重い12気筒エンジンを支えているのでヘタリが早いです。
しかも片方2本(計4本)あるので、いざ修理となると部品代も倍かかることになりますので、購入時には足回りをよく確認することをお薦めします。

フェラーリ 512TRを維持するということ

フェラーリ 512TRのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?

512TRは生産が終了して、20年以上経過しています。
車重が重い分、ストレスが掛かる部分や経年劣化も出てきます。

最後にこのようなフェラーリを維持するにはいくつかの心得を伝授させて頂きます!

1.何が起こっても動じない
本当に何が起こるかわかりません。
壊れないように予防交換していても壊れる時は壊れます。
予想だにしなかった箇所が壊れても「あれ? 壊れちゃった」ぐらいの平常心・精神力が必要です。

2.トラブルを楽しむ
頭を抱え込むのではなく、「どこから部品を調達しようかな?」とか、「自分でメンテナンスしてみよう!」などトラブルを前向きに考え、楽しむくらいの気持ちが必要です。

3.部品を見つけたら即購入!
例えばネットで、普段あまり流通していない部品を見かけたら、即購入しましょう。
なぜか欲しい時には手に入らないことが多いからです。

4.ネットワークで情報交換
同じ512TRを所有する仲間たちと情報交換する場を持ちましょう。
クラブに入るのが一番手っ取り早いかと思います。
一人ではなく仲間が一緒であれば何かと心強いものです。

この心得が理解できる方は、フェラーリオーナーになる素質が充分にあると思います!

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この記事の執筆者

久太郎この執筆者の詳細プロフィール

漫画「サーキットの狼」がきっかけとなり、1970年後半のスーパーカーブームに感化され未だにその熱が覚めず現在に至る。 特にヨーロッパ車の文化とデザインに魅了された車好きです。 現在の愛車はちょっと古めのフェラーリです。 この車は、工業製品でありながら芸術品でもあり、次のオー...