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【ルノー・トゥインゴは運転が楽しい】実燃費や試乗評価など確認事項8選!GTの評判は?

ルノー・トゥインゴの確認事項①【RRレイアウト】

ルノー トゥインゴ

出典:©Shutterstock.com/ Max Earey

ルノー・トゥインゴの最大の特徴はRRレイアウトの採用です。
ルノー・ジャポンから受取った広報資料には「革新的なリアエンジン・リアドライブ(RR)を採用しました」と書かれていますが、半世紀ほど前までコンパクトカーの主流はFFではなく、RRだったということを考えると、トゥインゴは「革新」と言うよりは「先祖帰り」したとの印象を受けます。

半世紀前まで小型車はRRが主流だった

コンパクトカーの場合、限られた全長の中でキャビンやラゲッジルームを広く採るためには、パワートレインをフロントもしくはリアに集中させたほうが、邪魔なドライブシャフトを排除できることから合理的です。

しかし、簡便な構造の空冷エンジンが小型車の主流だった60年代以前ならともかく、騒音や振動、エミッション対策のために水冷エンジンを搭載する現在のクルマの場合、エンジンからの発熱量の増大に対応するためラジエーターや補計器類はフロントに配置せざるを得ず、パッケージングの効率化という点でFFレイアウトに比べてRRは不利となります。

RRレイアウトはパワートレインなどの重量物が車体後部に集中するため、発進時や坂道走行時でのトラクションに優れますが、高速安定性の確保が難しく、コーナリング時にオーバーステア(一定の舵角で旋回中、速度が上がるにつれてクルマが内側に切れ込んで行くこと)になりやすいという特性がありました。

そのため、50年代後半に安価で信頼性が高い等速ジョイントが開発されると、RRと同様にスペース効率が高く、直進安定性に優れたFFが小型車の主流となりました。

90年代に登場したスマートがRR再評価のきっかけ

90年代に入ると、もはやRRレイアウトはポルシェ911などのスポーツカーの一部に残されるだけとなりました。
そんな中で登場したのがダイムラー・ベンツ社(現・ダイムラー社)の超小型車スマートでした。

都市部のミニマムトランスポーターとして開発されたスマートは、全長2.5m弱という限られたサイズの中でふたりの乗員が快適に過ごせる空間を確保し、同車のフラッグシップカーであるメルセデス・ベンツSクラスと同等の安全性を得るために、過去の遺物と思われていたRRを採用したのです。

スマートの安全性の秘密は、重量物であるエンジンをリアに配置し、車体前面をすべてクラッシャブルゾーンとしたことでした。
それによってスマートはユーロNCAP(欧州新車アセスメントプログラム)の衝突安全テストで5段階評価中4という好成績を収めることに成功しました。
スマートのキャビンは強固なセル構造で守られており、衝突時に乗員の生存空間が確保されているだけでなく、事故後に迅速な救護活動が行えるように車体が変形してもドアの開閉を可能としていました。

ポルシェ・911については以下の記事をどうぞ。

RRのネガを感じさせないトゥインゴ

ルノー・トゥインゴは、スマートの姉妹車として企画されたこともあり、小型車としては世界トップクラス安全性を得ることに成功しています。

また、トゥインゴは先代モデルに比べて全長を短くする一方で、ホイールベースの拡大により居住空間を拡大しています。
さらにリアシートへのアクセスが容易な5ドア車としたことで実用性も向上しています。

かつてRRレイアウトの欠点とされていた高速安定性や旋回時の操縦性の問題は、タイヤやサスペンションの進化、トラクションコントロールやABSなどの電子デバイスの登場によりコントロールが可能になっています。

実際にトゥインゴのステアリングを握ってみても、RRの美点こそあれ、ネガを感じることはほとんどありませんでした。

↓トゥインゴの姉妹車 スマート・フォーフォーと中古車情報、そしてスマート・フォーフォーについての詳しい記事です。

スマート・フォーフォー

中古車情報
システムメンテナンス中


ルノー・トゥインゴの確認事項②【パワートレイン】

↓トゥインゴとスマート・フォーフォーに搭載される0.9L直3DOHCターボエンジン(写真はスマートのもの)

スマート・フォーフォーのエンジン

前述の通り、ルノー・トゥインゴに搭載されるエンジンは、ダイムラー社との共同開発で生まれた直列3気筒DOHCエンジンです。

デュアルクラッチAMTの「EDC」が組み合わされる上級グレードの「インテンス」、ベーシックグレード「ゼン」のATモデルが0.9Lターボエンジンを、「ゼン」の5MT
モデルにはノンターボの1Lエンジンが搭載されます。

詳細ははっきりとしませんが、パワートレイン開発の主導権はルノーが握っていたようです。

組み合わされる「EDC」はモータージャーナリストの間であまり評判が芳しくありませんが、筆者はそこまで悪いとは感じませんでした。

シフトマナーに若干粗雑なところがなくもありませんが、ライバルとなる同じAセグメントのVWアップに比べればシフトアップ・ダウンはスムーズです。
少なくとも普通に運転している限りにおいては、あまりストレスを感じることはないでしょう。

エンジンの仕組みについて知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

ルノー・トゥインゴの確認事項③【サスペンション】

ルノー・トゥインゴのサスペンションはスマートと同じく、フロントがマクファーソン式ストラット、リアがドディオン・アクスルとなります。

ドディオン・アクスルとは聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、RRや4WDのリアサスペンションには昔からよく用いられる形式です。

FRやRRなどの後輪駆動レイアウトでは、デファレンシャルギア(以下、デフ)やアクスルハウジングがサスペンションと連動するためバネ下重量が重くなります。
ドディオン・アクスルはデフをリアアクスルから分離し、シャシー側に固定しているのが特徴です。
ドライブシャフトは独立して動きますが、ドディオン・チューブと名付けられたパイプで左右輪のハブ間を固定しており、サスペンションの分類としては固定車軸懸架式となります。
このサスペンションは独立懸架式のバネ下重量の軽さとリジッド式のメリットである対地キャンバー変化の少なさを両立させ、路面追従性と乗り心地の向上を図ったところにあります。

リヤサスペンションについての詳しい記事はこちら

ルノー・トゥインゴの確認事項④【走り】

出典:©Shutterstock.com/ Ivica Drusany

ルノー・トゥインゴに試乗して何よりも感心したのがRRらしいトラクションの高さです。
排気量の小さな直列3気筒エンジンは決してパワフルとは言えませんが、アクセルを踏みこむと軽い車重と相まって駆動力がダイレクトに後輪に伝わり、ストレスなく加速して行きます。

また、RRレイアウトを採用したトゥインゴはフロントノーズに重量物がないため回頭性が良く、ステアリングを切った方向にスッと向きを変える軽快さはFF車にはない美点です。
シティコミューターとして開発されたトゥインゴですが、その気になればワインディングロードでも運転を楽しむことができます。

RRのメリットは街乗りでも感じました。
フロントにパワートレインがないためにステアリングの切れ角を遮るものが何もなく、またオーバーハングが極めて短いので、隘路でのUターンでも切り返しをすることなく、1度でくるりと方向転換できます。

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この記事の執筆者

山崎 龍この執筆者の詳細プロフィール

1973年1月東京生まれ。自動車専門誌の編集を経てフリーライターに。自動車専門誌を中心に、航空、ミリタリー、映像作品、オタクカルチャー、政治などの 様々なジャンルに寄稿する雑文ライター。 著書に『最強!連合艦隊オールスターズ』『萌えだらけのクルマ選び』(共にイカロス出版)、『「...