初めて車と出会う人の為の車情報メディア MOBY [モビー]

【知らないと違反】登坂車線とは?駐車や追い越しから速度制限についても

山間部など登り坂がずっと続いている道などで、坂を登る片側だけの車線が増えるという道路を見たことはないでしょうか。これが登坂車線です。普段都市部などしか運転しない人にとってはあまり馴染みのがないものだと思いますが、そこまで珍しいものでもありません。一般道路にもありますが、高速道路にもあります。登坂車線を走行する時に気をつけることをまとめました。

登坂車線とは?

登坂車線

出典:https://ja.wikipedia.org/

まず、登坂車線の定義を確認してみましょう。道路法によって道路の構造や基準を定めている「道路構造例」という政令で次のように定義されています。

登坂車線 上り勾配の道路において速度の著しく低下する車両を他の車両から分離して通行させることを目的とする車線をいう。

出典:道路構造令第2条第7号・用語の定義

坂道で速度が落ちてしまう車が通行する目的で設置されるということですね。
そして、登坂車線にも追い越しや速度など規制やルールが決まっています。
突然の登坂車線で思わぬ間違いなどをしてしまわないよう、登坂車線とはどのようなものかを確認してみましょう。

登坂車線はどんな場所に設置される?

坂道

出典:https://www.flickr.com/

長い登り坂が続く道路に登坂車線はありますが、どんな条件の所にはあるのでしょうか。
これにもきちんと道路構造例に条件がありました。

普通道路の縦断勾配が5パーセント(高速自動車国道及び高速自動車国道以外の普通道路で設計速度が1時間につき100キロメートル以上であるものにあつては、3パーセント)を超える車道には、必要に応じ、登坂車線を設けるものとする。
2  登坂車線の幅員は、3メートルとするものとする。

出典:道路構造令第21条第1項・登坂車線

一般道路の場合には勾配が5%、制限速度100km/Lの高速道路では勾配が3%以上の道路に設置できるということですね。
5%の勾配というのは、100m進んでの5m登るぐらいの登り坂ということになります。
これぐらいの坂になると、パワーの無い車にとっては速度を維持できない場合があるということですね。
高速道路では一般道路よりもゆるやかな坂道でも設置されるようです。

登坂車線には目印はある?


登坂車線なのか、普通の片側複数車線なのか、どうやって判断したら良いのでしょうか。
実は簡単に見分けることができます。
まず、登坂車線の始まりには「登坂車線」を示す青色の標識(高速道路の場合には緑色の標識)があります。
さらに車線を区切る線も通常の車線境界線ではないことが多く、太くて間隔が短い白の破線が使われています(通常の車線境界線の場合もあります)。
他にも、途中にも登坂車線であることを示すものや、「遅い車は登坂車線」などと書かれた標識が途中に設置されることもあります。

道路標識についての記事はこちら

登坂車線は誰でも走行していいの?

安全運転 教本

登坂車線規制に従っていれば誰でも走行してもかまいません。
坂のために速度が出せないという場合ではなくても、積極的に速度を出したくない場合などには、登坂車線を走っていれば後続車は追い抜いて行ってくれるので、ゆっくり安全に走りたいという場合にも活用すると良さそうですね。

登坂車線は追い越しに使えない!


まず一番注意したのが 登坂車線を使って追い越しをしてはならないという点です。
登坂車線は必ず左側に設置されます。
ご存知のとおり、追い越しをする時は必ず右側からと決まっています。
前方を走る車を登坂車線を使って追い越すことは違反となってしまいます。
ただし高速道路での登坂車線では、ずっと登坂車線を走行していて、並行する走行車線を追い抜いていくことは制限速度の範囲内であれば問題はありません。

登坂車線の速度制限はどうなっている?

速度標識

一般道路の場合には、登坂車線だけに専用の速度制限がある場合を除いて、その道路の制限速度に従ってください。
気をつけなければならないのは高速道路の場合です。
これには高速道路における登坂車線の位置付けを確認しおく必要があります。

本線車道  高速自動車国道 (中略) の本線車線により構成する車道をいう。

出典:道路交通法第2条第3の2号・定義

自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において (後略)

出典:道路交通法第75条の11・故障等の場合の措置

このことから、高速道路では「本線車道」とされていないことが分かります。
そこでまず最低速度制限です。
高速道路の本線車道は最低速度が決まっていて、50km/h以上で走行しなかればなりません。
しかし、登坂車線は高速道路の本線車道ではありません。
そのためにこの規制は適用されず、50km/h未満で走行することができます。
坂道で50km/h以上の速度が出せない時には登坂車線を走行しなければならないとも言えます。
次に最高速度です。
これも高速道路の本線車道ではないことから、一般道路の最高速度制限である60km/hまでしか出せないことになるのです。

登坂車線に駐車はできる?

路上駐車

一般道路の登坂車線には、駐車している車が並んでいる光景を見かけることもあるのではないでしょうか。
しかし、登坂車線だからといって駐車が特別に許されるルールはありません。
駐車禁止の道路では、登坂車線にも同じ規制が適用されますし、あくまで走行するための「車線」ですので、駐車することも大変危険なことです。
登坂車線での駐車には車両の故障や体調不良などの走行が困難な場合にしか行なえません。
その場合にも停止表示器材を置くことが必須です。

停止表示器材についての詳しい解説はこちら

登坂車線に似た「ゆずり車線」

法令上の根拠はありませんが、登坂車線と同じようなものに、「ゆずり車線」や「ゆずりゾーン」があります。
見た目も登坂車線と表示されていないだけでよく似ています。
これは登坂車線の基準に満たない道路に設置されるものです、その趣旨は同じもので、ルールは登坂車線と同じようになると覚えておきましょう。

登坂車線が登場した時にはルールを再確認!


登坂車線で気をつけなければならないことは、登坂車線を使った追い越しができないということと、登坂車線が高速道路にあった場合の速度制限です。
これだけ押さえておけば後は他の道路と同じ規制に従えば大丈夫なので、あまり深く考える必要はありません。
ちなみに、2016年から中央自動車道の一部区間(多治見ICから小牧東IC)で登坂車線だった部分を、右側付加車線に付け替えるという試行がされています。
速度が出せない車がが登坂車線に寄って「譲る」のではなく、早い車が右側から追い越しをするという方式にして安全性の向上が期待されているようです。
今後は高速道路などではこの方式が広まるかもしれませんね。

現在の保険料の見積り料金を確認したい方はこちら

【無料】最大19社の自動車保険を一括見積もり

確認必須な道路交通法についてはこちら

自動車の保険に関連する記事はこちら

道路交通法を見直したくなる事故動画の記事はこちら

この記事の執筆者

EightHoursADayこの執筆者の詳細プロフィール

書籍の編集者が本業でライターもやっています。 好きな車は欧州の大衆コンパクトカーやステーションワゴンなどの実用車やマイナーな国産車。 人気がなく、一般的に日の目を見ない車などにも光を当てていきたいです。 車だけではなく道路や交通法規ネタなんかも好きです。...

関連キーワード
キーワードから記事を探す


関連する車種/メーカー
車種/メーカーから記事を探す