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【要注意】ハンドルの据え切りとは?負担をかけると車の故障の原因になる?

「ハンドルの据え切り」という言葉を聞いたことがありますか? パワーステアリングが無い時代の車では、今のように簡単にハンドルの回転を行うことができませんでした。今回の記事では、ハンドルの据え切りの意味と据え切りによる車への負担、その結果として現れる故障について解説します。

ハンドルの据え切りの意味とは?

タイヤとホイール

ベテランのドライバーから「車が止まっているときにハンドル操作をしてはいけない」と言われたことはありませんか?
ハンドルの据え切りとは、まさにこの車が停止した状態でハンドルを切ることを意味しています。

パワーステアリングが装備されていない時代は、「停止している車のハンドルを切ることは容易ではなく、車を傷める」と言われていました。
このハンドル操作を補助するために、まずエンジンの動力を利用して取り出した油圧を使う油圧式パワーステアリングが登場し、現在では電気モーターによる電動式パワーステアリングが主流となっています。

パワーステアリングが広く普及したことで、停まっている状態でも普通にハンドル操作ができるようになり、「据え切り」という言葉を耳にする機会も少なくなっているかもしれません。
車に慣れないうちや、狭い駐車スペースに停める際の切り返しなどで使われるハンドルの据え切りですが、車にはどのような影響があるのでしょうか。

ハンドルの据え切りはタイヤを傷める

タイヤ跡

ハンドルを据え切りすることのデメリットとして最も分かりやすいのは、車が唯一地面と接しているタイヤへのダメージでしょう。
ハンドルを据え切りすると、タイヤのあった場所に跡が残ることがあります。
つまり、据え切りした時に接地していたタイヤのトレッド面だけに摩擦が発生して、摩耗が進んでしまうことになります。
これは明らかにタイヤの寿命を縮めてしまいますし、偏摩耗が進行する原因にもなりかねません。

偏摩耗を起こしたタイヤは細かく振動して乗り心地を悪化させ、最悪の場合、パンクやバーストを起こします。
過酷な状態で走行中の車を支えているタイヤが傷む要因としては、できれば据え切りする回数を少なくした方が良いかもしれませんね。

ハンドルの据え切りは車の負担になる?

ダブルウィッシュボーン サスペンション

ハンドルの据え切りでは、走行している時よりパワーステアリングでアシストする力が必要となるので、パワーステアリングオイルや電気モーターが発熱しやすくなります。
高温になったオイルはリザーバータンクから吹き出したり気泡が発生してしまうことがありますし、電気モーターや配線が高温で傷む恐れがあります。

また、パワーステアリングの動力を伝達するギアやサスペンションにも走行時より大きな力がかかるので、長い期間にはギアやベアリングなどにガタが発生したり、タイロッドブーツの損傷、アライメントが狂ってまっすぐ走らないなどの故障の原因となることもあります。

このように書いてしまうと、ハンドルの据え切りすることが不安になるかもしれません。
しかし、近年の車は十分な強度を持って設計され、後述する保護機能も装備されてきているので、必要以上に心配することはありません。
駐車時に数回据え切りする程度であれば、通常の範囲内と考えて良いでしょう。

ハンドルの据え切りで保護機能が働くことも

片手 ハンドル 運転

ドライバーのハンドル操作を補助してくれるパワーステアリング機構では、電気モーターの力で作動する電動式が現在主流となっています。
この電動式パワーステアリングでは、ハンドルの据え切りを短い時間に何度も繰り返すと、ハンドルがとても重くなってしまうことがあります。
これはハンドルを据え切りするとパワーステアリングの電気モーターに負荷がかかるため、モーターの温度上昇を検知した車両コンピューターが、電気モーターが故障する前にパワーアシストを切る保護機能を働かせることで起こります。

このような状態になった場合、安全な場所に停車して、しばらくステアリング操作を行わないようにします。
保護機能によるものであれば電気モーターの温度が下がれば解除されますので、エンジンをかけ直して元通りにパワーステアリングが使えるようになっていることを確認しましょう。

通常の範囲内ならハンドルの据え切りは問題なし!

駐車場

出典:©iStockphoto.com/Chesky_W

今回はハンドルの据え切りの意味と車にどのような負担がかかり、その結果として現れる故障などについて解説しました。

パワーステアリングの普及に伴って、「ハンドルの据え切り」という言葉を聞いたことがない方も増えてきているようです。
最近の車は余裕をもって設計されているので、駐車場で数回切り返す程度であれば問題なく行うことができるようになっています。
影響があるとすれば、車が地面と接しているタイヤかもしれません。

運転中に保護機能が働いて、急にハンドルが重くなったりしたらびっくりしてしまいますよね。
そのような時には本記事の内容を思い出して、安全な場所に車を停め、据え切りなどのハンドル操作による保護機能が働いていないか確認してみるようにしましょう。

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