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【アルファロメオ4Cの重要事項9選】実燃費など維持費やカスタムから試乗レポートまで

ティーポ33/2ストラダーレ以来、42年ぶりにアルファロメオ社がリリースしたミッドシップスポーツカーのアルファロメオ4C。このクルマはバスタブ型のカーボン製モノコックシャシーを採用するなど軽量化に徹底的にこだわったピュアスポーツカーです。今回は派生車種の4Cスパイダーの試乗記を中心に車両の評価、維持費、カスタムなどを含めて徹底解説します。

アルファロメオ4Cとは

アルファロメオ4C

アルファロメオ4Cはイタリアの名門・アルファロメオ社が製造する2シーター・ミドシップスポーツカーです。
アルファロメオは2011年のジュネーブショーでコンセプトカーの「アルファロメオ4Cコンセプト」を公開。
13年の同ショーで市販モデルが発表されました。

スポーツカーメーカーのイメージが強いアルファロメオですが、高級車メーカーだった戦前はともかくとして、戦後のアルファロメオは日常領域から楽しめるスポーティーな乗り味のセダンやクーペ・・・すなわちスポーティーカーやGTカーこそがその本分であり、一部のコンペテションモデルを除いてピュアスポーツはほとんど存在しません。

ティーポ33/2ストラダーレ

そんなアルファロメオが2シーター・ミドシップスポーツカーをリリースするのは、1967〜71年までの4年間にわずか18台が生産されたティーポ33/2ストラダーレ以来、じつに42年ぶりとなります。
それだけにアルフィスタ(アルファロメオファン)ならずともアルファロメオ4Cには興味を抱かれるのではないでしょうか?


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アルファロメオ4Cの重要事項①【メカニズム】

アルファロメオ4Cのフレーム

アルファロメオ4C最大の特徴は、軽量化のためにバスタブ型のカーボン製モノコックシャシーを採用(単体重量は65㎏)したことで、乾燥重量は895㎏(車検証上の重量は1050㎏)に押さえられたところにあります。

アルファロメオ4Cのカーボン製モノコックシャシーは、オートクレーブを使った「プリプレグ」方式という成型方法で製造されています。
この技術はF1などのレーシングカー製造に用いられる技術であり、市販車ではF50やエンツォ、ラフェラーリなどのフェラーリスペチアーレ、パガーニ・ゾンダやウアイラ、ポルシェカレラGTや918スパイダー、メルセデス・ベンツSLRマクラーレンなどのごく限られたスーパースポーツに採用されているだけです。

アルファロメオ4Cのメカニズム

アルファロメオ4Cはスペシャルなシャシーを採用するいっぽうで、パワーユニットはアルファロメオの量産市販モデルのジュリエッタに搭載される1.8L直噴直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンが横置きで搭載を搭載しています。
ただし、エンジンブロックを鋳鉄からアルミに変えたことにより、約30㎏の軽量化を実現しています。
組み合わされるトランスミッションはフィアット社が開発した6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)であるAlfa TCT (Twin Clutch Technology) を採用しており、MTの設定はありません。

アルファロメオ4Cに採用されるサスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマクファーソン式ストラットになります。

アルファロメオ4Cのスペック

全長:3,990mm
車幅:1,870mm
車高:1,185mm
ホイールベース:2,380mm
車重:1050kg
排気量:1,742cc
エンジン:直列4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボ
最高出力:240ps/6,000rpm
最大トルク:35.7kg-m/2,100〜4,000rpm
燃料噴射装置:直噴電子制御式燃料噴射
トランスミッション:6AMT「Alfa TCT 」
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後):マクファーソン式ストラット
新車価格:849万円

アルファロメオ4Cスパイダーに試乗

アルファロメオ4Cと4Cスパイダー

昨年、筆者はアルファロメオ4Cスパイダーに試乗する機会がありました。
このクルマは2015年に追加されたアルファロメオ4Cスパイダーのオープンモデルで、トップにロータス・エリーゼやホンダS660に採用されたのと同じ、巻き取り式のキャンバストップを採用しています。
また、ヘッドランプが複数のLEDからなる特徴的な意匠の物から、オーソドックスな形状のバイキセノンヘッドランプに換装されています。
アルファロメオ4Cをオープンモデル化するに当たって、車両重量は10kgほど重くなっていますが、スペック的にはクーペモデルと大きな差はありません。

アルファロメオ4Cの重要事項②【外装】

アルファロメオ4Cスパイダー

出典:Copyright©️ 2017 山崎龍 All Rights Reserved.

アルファロメオ4Cのデザイナーは、同社のアレッサンドロ・マッコリーニ氏です。
アルファロメオ4Cのボディサイズは全長4m足らずと、大型化が進む現在のスポーツカーにあってはコンパクトな部類に入りますが、低く前方に突き出したノーズに抑揚のある前後フェンダーの組み合わせは、典型的なイタリアンルックで強烈な存在感を放ちます。

2014年7月に東京国際フォーラムで開催されたアルファロメオ4Cの発表会で、マッコリー二氏は「(4Cのスタイリングは)内側のメカニズムを包む、外側の皮膚にあたる。例えて言うなら、アスリートの鍛えられた肉体にぴたりとフィットするスポーツウェアにも似ている」と語っています。
その言葉の通り、アルファロメオ4Cスパイダーは宝石のように美しいだけでなく、肉感的で走りを予感させる躍動感に満ちています。

ちなみにヘッドランプはアルファロメオ4Cのアグリーな物よりも、オーソドックスながらクラシックな美しさのある4Cスパイダーの物のほうが個人的には好ましく感じました。

アルファロメオ4Cの重要事項③【内装】

アルファロメオ4Cスパイダーの内装

アルファロメオ4Cのインテリアは800万円級のスポーツカーとしてはいささか質素に感じます。
サイドシルやフロアは無駄な装飾を廃してカーボンシャシーがむき出しになっており、これはこれでスポーティーな演出です。

アルファロメオ4Cのダッシュボードやレザーシートなどには上質な本革が使われていますし、現代のクルマらしくエアコンやオーディオなどの最低限の快適装備を備えていますが、ピュアスポーツらしくシンプルかつスパルタンな雰囲気が漂う内装です。
試乗車にはカーナビが装着されていましたが、センターコンソールへのビルトインタイプではなく、ポータブルナビが取付けられていました。

トップの取り外しはセンターの2つのボタンを外して、両サイドのレバーを解除するだけで簡単に外すことができます。
取り外したトップはのり巻き状に巻き取ってから、リアのエンジンフード後端のラゲッジルームへ。
ラゲッジスペースはミニマムで大きめのボストンバックを1個入れたら何も入りません。
オープンにするとラゲッジを使い切ってしまうために荷物を積むことが難しくなります。

アルファロメオ4Cスパイダーのハンドル位置

アルファロメオ4Cスパイダーの内装

出典:Copyright©️ 2017 山崎龍 All Rights Reserved.

オープンカーへの試乗と言うことで、まずはトップを外して試乗することにしました。
幅のあるサイドシルを跨いでアルファロメオ4Cスパイダーに乗り込みます。
シートを合せてからまずはドライビングポジションの検分です。
試乗車は右ハンドルと言うことで、ステアリングのオフセットについては許容範囲内でしたが、ペダルについては左側にかなりオフセットしています。
これでは身体をねじった状態で運転することになるので、運転を楽しむスポーツカーとしてはドライビングポジションに難有りと言わざるを得ません。
左ハンドルでしたらこうした不始末はないはずです。
スポーツカーとしてのパッケージングを詰めた結果、スペース的に余裕がなく、適正なドライビングポジションを実現できなかったアルファロメオ側の事情は分かりますが、やはり残念と言わざるを得ません。

最近は「日本で運転するなら右ハンドルが良い」という声が主流となっており、ポルシェあたりでも右ハンドルを購入するユーザーが多いそうですが、筆者からすればナンセンスとしか言いようがありません。
使い勝手を重視する実用車ならともかく、走りのためにパッケージングの最適化を図ったスポーツカーは、やはりドライバビリティ(運転性)を優先して生産国のハンドル位置のクルマを購入すべきです。
まあ、アルファロメオ4Cは左右どちらのハンドル位置も選べるようですから、本気でアルファロメオ4Cの購入を考えている方は、できれば左ハンドルを選んで欲しいところです。

アルファロメオ4Cの重要事項④【ボディ&シャシー】

アルファロメオ4Cスパイダーのリアビュー

出典:Copyright©️ 2017 山崎龍 All Rights Reserved.

エンジンスタートボタンを押していよいよ試乗開始。
エンジンマネジメントをコントロールする「DNAスイッチ」は、当然「ダイナミック」をチョイスしました。

走り出してからまず気付いたのがボディ剛性感の高さです。
ボディ剛性が取りにくいオープンカーなのにクローズドボディのような剛性感。
あとでトップを被せた状態も試してみましたが、オープン/クローズドで受ける印象はほとんど変わりがありませんでした。

金庫に閉じ込められたようなドイツ車に比べて、イタリア車は走り出したときにボディの緩さを感じるものですが、アルファロメオ4Cに関してはそうした印象を一切覚えませんでした。
しかも、金属ボディのクルマとはまるで違う感覚です。路面からの入力に対し、金属ボディのクルマが程度の差こそあれ、ビンビン響きながら徐々に衝撃を吸収して行くのに対し、カーボンモノコックシャシーのアルファロメオ4Cは「タンッ」とすぐに衝撃を押さえ込みます。

衝撃の押さえ込み方はアルミボディのクルマにも似ているように感じましたが、あちらが「ゴスッ」と押し殺したような感じで衝撃を吸収するのと違い、こちらはそれよりも減衰の仕方が緩やかで不快感を覚えません。
ひと言で述べるなら硬いけどしなやか。

カーボンモノコックシャシーのクルマは、アルファロメオ4Cが初体験でしたが、金属ボディとアルミボディの双方の良いところ取りをしたような素晴らしいボディに思わずにんまり。
「これはかなり期待できるぞ」と独り言が出ます。

アルファロメオ4Cの重要事項⑤【エンジン】

アルファロメオ4Cのエンジン

エンジンは前述の通り、基本設計は量販乗用車のジュリエッタのものを流用しています。
パワーとトルクは240ps/35.7kgmと特筆すべきものは何もありません。
しかし、トラクションに優れたミドシップ、しかも車重1t足らずという軽量スポーツカーに搭載するエンジンとしては充分過ぎるスペックです。

一度鞭を入れれば軽い車体をジェット戦闘機のように加速させて行きます。
「速い速い」。
首都高のランプから全快加速を試みたところ、ターボ車特有の獰猛極まりないサウンドを放ちながら100km/hまでわずか4秒弱で到達しました。

筆者が以前所有していたアルファロメオ155TS8バルブの2L直4ツインスパークや同SZ(ES30)の3LV6SOHCに比べ、高回転まで回したときの気持ち良さという点で、アルファロメオ4Cの1.8L直噴直列4気筒DOHC直噴ターボは一歩及びませんが、それでも官能性という点では充分過ぎるほど。
低回転域からトルクが出ていますし、スロットルペダルを踏み込めばダイレクト感に溢れたフィールに楽しさと興奮を感じました。

アルファロメオ4Cの重要事項⑥【走り】

アルファロメオ4Cスパイダー

郊外のワインディングロードにアルファロメオ4Cを連れ出しました。
ワインディングロードでのアルファロメオ4Cは、まさに水を得た魚です。

アルファロメオ伝統の「ロールを許す」サスセッティングとは異なり、アルファロメオ4Cはほとんどロールすることなくカート感覚でパスしてしまいます。
ハンドリングは若干曖昧さを残すこれまでのアルファロメオとは違ってステアリングから受けるフィールはクイックでダイレクト。
旧来のアルファロメオに慣れきった筆者は、最初アルファロメオらしからぬ味つけの4Cスパイダーに戸惑いましたが、それでもコーナーをふたつみっつと駆け抜けて行くうちに慣れてしまいました。

「これは楽しい」。

ミドシップの流儀に従ってコーナー手前で過重を掛けてやれば、低速コーナーでも、中速コーナーでも、高速コーナーでもありとあらゆるコーナーをハイスピードでクリアしてしまいます。
しかも、エンジンパワーに対してシャシーやサスペンション性能に余裕があるのか、かなりのスピードでもドライバーに恐怖感を与えることはありません。
限界はかなり高いようで、筆者の乏しい腕ではこのクルマの限界を引き出すことはできませんでした。
そうした意味では、アルファロメオ4Cは万人が安全に楽しく走れるスポーツカーだと言えるでしょう。

アルファロメオ4Cの重要事項⑦【評価】

アルファロメオ4Cスパイダーのレンダリング

運動性を重視するスポーツカーにとって軽さは何よりも正義です。
重量が軽ければその分ブレーキはよく効きますし、旋回時にかかる遠心力は重量に比例して強くなるためにコーナリングスピードも速くなります。
また、副次的なことですが、車重が軽ければブレーキやタイヤなどの消耗部品の保ちも良く、オーナーの懐に優しいというメリットもあります。

ライバルとしてはロータス・エリーゼやポルシェ・ボクスター/ケイマンなどが挙げられますが、エリーゼは快適性という点で我慢を強いられますし、ボクスター/ケイマンはピュアスポーツを名乗るには大きく、重くなり過ぎた感があります。
その点、アルファロメオ4Cは快適装備を標準で備え、この種のスポーツカーとしてはは乗り心地も良好で、必要最小限ながらもラゲッジルームも備えています。
しかも、人目を引く美しいスタイリングに加え、ホットな走りという点ではライバルに負けていません。
849万円という新車価格は絶対的には高価ですが、内容を考えればバーゲンプライスと言えると思います。

アルファロメオを含むイタリア車の情報はこちら

アルファロメオ4Cの重要事項⑧【維持費】

アルファロメオ4Cスパイダー

アルファロメオ4Cは車重が軽く、排気量も2L以下のため、重量税や自動車税は国産の2L級実用車と同じです。
しかも、軽量ボディに効率の良い1.8L直4DOHC直噴ターボの組み合わせですからスポーツカーとしては燃費も良好で街乗りでも10km/L以上は期待できます。

21世紀に入ってからイタリア車の信頼性は高くなっています。
そのため、以前ほど故障などのトラブルを恐れる必要はなくなりました。
唯一気になるのがAlfa TCTですが、こちらもかつてのセレスピードに比べれば信頼性を増しています。
セレスピードのように「不調のため新品ミッションに積み替えた」などという話は聞きませんし、調子を崩した際にもディーラーでコンピューターをリセットするだけで直ることがほとんどです。

また、アルファロメオ4Cはボディやシャシーこそ専用設計となりますが、駆動系や足回りなどはジュリエッタのものを流用しています。
そのため、メンテナンスに必要な部品は意外と安価に手に入るようです。
すなわち、800万円級の輸入スポーツカーとしては維持費が掛からないようなのです。
少なくともアルファロメオ4Cはフェラーリやポルシェに比べて安価に維持できると思います。

ただし、専用設計のボディパネルやシャシーなどは非常に高価なため、事故時の修理は大変高くつくようです。アルファロメオ4Cを購入したらぜひ車両保険に加入しておくことをオススメします。


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アルファロメオ4Cの重要事項⑨【カスタム】

アルファロメオ4Cスパイダーのホイール

完成度の極めて高いアルファロメオ4Cは下手に弄るとバランスを崩してしまうため、カスタムはあまりオススメできません。

ただし、アルファロメオ4Cでサーキット走行を考えていらっしゃる方には、車高調サスペンションやサーキット走行対応のブレーキパッドへ換装されたほうがよろしいでしょう。
車高調サスペンションは、NOVITECやTEZZOなどから発売されています。

また、ドイツのチューニングメーカーのG-TECK社では、アルファロメオ4Cをベースに最高出力を290psにまでパワーアップするパフォーマンスキット、最大335psまで発揮するコンプリートチューニングも対応しています。
日本ではG-TECK JAPANで取り扱っています。

アルファロメオ4Cがほしい!

アルファロメオ4Cスパイダーとティーポ33

アルファロメオ4Cについてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?

アルファロメオ4Cは優れた走りの資質と必要にして充分な快適性を持つピュアスポーツです。
誰が乗ってもスポーツカーとしての楽しさを満喫できますし、スタイリングは美しく、内容を考えれば手頃な価格設定と、クルマ好きなら誰にでもオススメできる素晴らしいスポーツカーです。

ところが、スペック的に物足りなく見えるのか世界的には人気は今一歩。
とくにアルファロメオが期待した北米市場での販売が芳しくないようです。
そのため、2020年には生産が中止されるのではないか、との噂が流れています。

ですが、アルファロメオ渾身のスポーツカーと言うことで生産中止後に人気が高まる可能性は充分にあります。
新車が買える今のうちに購入し、大事に乗り続ければ将来価値が見直されて、中古車価格が上昇する可能性があります。

現在、日本国内での中古車価格は稀少車と言うこともあり、600万円台後半〜1000万円代(標準グレードの中心価格帯は700万円台前半)で取引されています。
この種の趣味性の強いクルマは価格の下落が緩やかですので、本気で購入を考えていらっしゃる方は新車を選ばれることをオススメします。
筆者も余裕があればぜひ欲しい1台です。

アルファロメオの情報はこちら

イタリアのスポーツカーの情報はこちら

この記事の執筆者

山崎 龍この執筆者の詳細プロフィール

1973年1月東京生まれ。自動車専門誌の編集を経てフリーライターに。自動車専門誌を中心に、航空、ミリタリー、映像作品、オタクカルチャー、政治などの 様々なジャンルに寄稿する雑文ライター。 著書に『最強!連合艦隊オールスターズ』『萌えだらけのクルマ選び』(共にイカロス出版)、『「...

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