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【トヨタ・ラウムはパイオニアミニバン】実燃費やスペックからサイズ感の評価など

トヨタ・ラウムは1997年から2011年まで販売されたトヨタにおけるコンパクトミニバンの先駆けになったミニバンです。当時のミニバンには珍しく、リアの両方がスライドドアになっていて、2代目は福祉車両として高い需要があり今でも中古市場では人気のある車なのです。今回はラウムの実燃費やスペックから評価まで紹介します。

トヨタはなぜラウムを作ったのか?

初代 トヨタ ラウム 外装

出典:https://ja.wikipedia.org/

1997年トヨタ自動車はエスティマの成功を背景にミニバンの開発に力を入れていました。
ラウムが開発された背景には、当時軽自動車の主力になりつつあったスズキのワゴンRなどの販売台数のが急進しトヨタ自動車はこれに危機感を覚え、開発を急がせたという逸話も残っています。

また、エスティマユーザーから声の多かった「もう少し小さかったら女性でも乗りやすい」という主婦層からの声を受け、カローラⅡ/コルサをベースにしたセミトールワゴンの開発に乗り出したのです。

セカンドカー時代の幕開け

時代背景も少なからず開発に影響していました。
販売時期は消費が旺盛な団塊世代の子育てが一段落して、自分の趣味にお金を使う時代に突入し、エスティマやノア、ハイエースといったフルサイズのミニバンまで必要ないとの声もあり、軽自動車じゃ満足できないユーザーのためのセカンドカーとして需要が見込めました。

また、自動車免許を取得する主婦層も増え、1家族2台の車を所有するセカンドカー時代になったのもラウムのようなコンパクトミニバンが開発された背景にあります。

最新機能を搭載したテストベット的役割も

ラウムには実に多くの特別仕様車が発売されました。
この車以外にはカローラも同様に、当時トヨタが開発し、その後主要装備や標準装備になるような機構やオプションをセットして特別仕様として販売、これはまるで開発した機構のテストベットとしてテストしていたのでは?と思わせるような勢いでした。

モデルチェンジ後その低床設定をベースに福祉車両も開発しました。
これはトランクが横開きであったことと、助手席側のフロントとリアを隔てるピラーがなく開口部が広く取れたことから高さや幅のスペースを考えなくても良いという単純な理由でラウムの福祉車両の製作が決まったもので、実際販売後はこの仕様が非常に受け入れられました。

この後の車にもセンターピラーレス車を増やして行く予定でしたが、思いの外一般ユーザーには評判が悪く、ラウムの後継車であるポルテでは助手席ドアをパワースライドドアにして開口部を広くする設計に変更されています。

また、ピラーレス機構はダイハツのタントに受け継がれています。軽自動車では評判が良いのですが、こちらは小さなお子さんを持つユーザーをターゲットにしてますから受け入れられたのであって、一般ユーザーの多かったラウムでは良さが伝わりきらなかったのです。

トヨタの歴史とピラーレス機構を受け継いだタントについてはこちら

初代ラウムのデザインとスペック

初代 トヨタ ラウム リア 外装

出典:https://ja.wikipedia.org/

初期モデルのデザインはターセル/コルサ/カローラⅡのプラットフォームをベースに使いやすさを追求して作られたセミトールワゴンでした。
当時のコンセプトの中にコンパクトミニバンというカテゴリがなく、カローラⅡのイメージでハッチバックタイプのステーションワゴンの色合いが強く出ていたデザインでもありました。

また、当時のコンパクトカーとしては画期的なロングホイールベースを採用、シンプルで飽きのこないフロントデザインと卵型の縦長テールランプが特徴的でした。
ラウム最大の特徴はリアドアが左右ともにスライドドアを採用したことで、1990年代後半のこの手のコンパクトカーには無かった斬新なアイディアでした。

またリアハッチの開口は跳ね上げ式ではなく左右開口になっていて背の低い女性でもハッチの開閉が楽に行える配慮がなされていました。

初期型ラウムのスペックは?

初期型ラウムは前記したとおりカローラⅡなどのコンパクトカーのプラットフォームを共用していました。
エンジンは1.5Lの直4DOHCエンジンを搭載、最高出力を抑えるかわりに中、低速のトルクを向上させて車両重量の増加に対応していました。
また日本車として初めて電気式ブレーキアシストが採用されたのもラウムでした。
詳細スペックは以下の通りです。

▶全長:4,025mm
▶全幅:1,685mm
▶全高:1,535-1,590mm
▶車両重量:1,090kg
▶駆動方式:FF/4WD
▶変速機:油圧式4AT

初代ラウムの内装と評判

初代 トヨタ ラウム 内装

出典:http://www.goo-net.com/

初期型ラウムの内装は非常に広く作り込んであります。
コクピット周りを見てみるとシフトレバーにコラム式を採用、パーキングブレーキはフット式にして座席にこれら機能を持たせないようにしました。

メーター類はオプティトロンメーターを採用し、オーディオ類もインパネの上部に配置するなどして扱いやすさを向上させていました。
センターコンソールを排除した事により、前席から後席までウォークスルーできる広さが産まれ、5ナンバーサイズのコンパクトカーの中でも最大の容積を確保しています。

初代 トヨタ ラウム 内装

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シートアレンジは前席は独立型、後席は3:7倒立のベンチタイプを採用していました。
ウィンドウは前後席ともパワーウィンドウを装備、この時代のコンパクトカーには珍しく後席のスライドドアのウィンドウもパワーウィンドウでした。
前席のドアのヒンジは7度角度をつけることにより開口時に屋根側が大きく開口し、乗り降りし易い設計になっていました。

初代 トヨタ ラウム マイナーチェンジ 外装

出典:http://www.goo-net.com/

初代ラウムは2003年のモデルチェンジまで積極的に特別仕様車が発売されていました。
バンパーをボディー同色のカラードバンパーにしたり、ミラーもボディー同色にしたりと外観デザインはニーズに合わせて改良を重ねただけではなく、オートエアコンの採用、カラーガラスの採用と内装のデザインも改良が加わっていました。

安全面の装備では全車ディアルエアバック装備、ABSやブレーキアシストなど、トヨタはラウムを使いあらゆる装備のテストベットとしていたことが伺えます。

2代目ラウムのデザインとスペックは?

出典:https://ja.wikipedia.org/

ユニバーサルデザインの追求が開発テーマの2代目ラウムは、先代で好評だった前席ドアの開口角度、リアハッチの開口方向を残しつつ、プラットフォームを一新して販売されました。
プラットフォームは先代のカローラⅡから専用のフレームに変更され、足回りは初代ヴィッツと共用で車重のあるラウム専用のセッティングに変更されています。

外観デザインはこの当時トヨタが安全基準の開発に使用していたGOAを発展させたものを用い、自車よりも車重の重い車との衝突字の乗員の安全性を重視し、もしものための対歩行者傷害軽減設計もデザインに組み込まれていました。
また、先代に比べ居住性とドライバーの有効視界も向上させました。

エンジン等スペック的な変更点はエンジン、トランスミッションを初代bBと同じDI方式のBEAMSを採用、1NZ-FE型のVVTーiエンジンにロックアップ機構付電子制御4速ATを組み合わせ日常よく使う中低速のトルクを向上させ、先代より10PS以上のパワーアップを図りました。ブレーキ関係は電気式ブレーキアシスト機構を残し全車ABSはEBD付きの機構に変更し、新たにメーカーオプションでディスチャージヘッドランプが設定に加わりました。

エンジンが一新されたことにより燃費、環境性能も向上し、「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」を達成、2WD車は「平成22年度燃費基準」をいち早く獲得しています。

2代目 トヨタ ラウム パノラマ オープンドア

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機能的に大きく変更されたラウムですが、このモデルから前席と後席ドアにセンターピラーのないパノラマオープンドアが採用され、これに伴い助手席には背面に大型のアシストグリップと簡易テーブル機能付きのタンブルシートが採用されました。
助手席側の後部スライドドアはパワースライドドアになっていて利便性が向上しています。

詳細スペックは下記のようになります。
▶全長:4,045mm
▶全幅:1,690mm
▶全高:1,535-1,545mm
▶車両重量:1,150kg
▶駆動方式:FF/4WD
▶変速機:油圧式4AT

2代目ラウムの内装と評判は?

2代目 トヨタ ラウム 内装

出典:http://www.goo-net.com/

メーター類も先代から一新し、常時点灯式のセンターメーターに変更されました。また、ステアリングホイールの奥に警告灯や表示等を集約、視覚的なわかりやすさの向上が図られています。
ステアリングは従来品と変更し、楕円形の物を採用し、運転手の疲労軽減が図られたデザインになっていました。

2代目 トヨタ ラウム 内装

出典:http://www.goo-net.com/

パノラマオープンドアの採用で助手席の背面にアシストグリップ、簡易テーブルが付き、それに伴い前後ウォークスルーとフルフラットシートは廃止されました。しかし2名乗車時の積載量と、パノラマオープンドアにより乗降性が飛躍的に向上しています。

外、内装だけでなく2代目ラウムも先代同様、様々な特別仕様車が発売されました。特に15インチアルミホイールに扁平タイヤを標準装備にしたスポーツスタイルの「S Package」は好評で、スモールワゴンに目が向かなかった若年層に受け入れられました。

トヨタ・ラウムの実燃費や評価は?

2代目 トヨタ ラウム リア 外装

出典:https://ja.wikipedia.org/

初代、2代目含め、ラウムの評価や燃費は実際のところどうだったか、価格コムから口コミを集めました。
ちなみにメーカー発表の10.15モードの燃費計測は16.2km/Lでした。

車のデザインも走りもよくも悪くもなくまとまっている車、不満な点は特に見当たらない。
燃費は街乗りでリッター12km位、車重の割に走ります。

出典:http://review.kakaku.com/

落ち着いていていい雰囲気、気品もあります。
車内は必要十分なほど広い点が気に入っています。
燃費は12~15kmほど、悪くもよくもないです。

出典:http://review.kakaku.com/

内装デザインが落ち着いていてセダン車のよう。
乗り心地は普通です。足が硬くもなく柔らかすぎない。
燃費は10~12km、乗り方にもよりますがスバルの1.5Lインプレッサに比べると少々劣る。

出典:http://review.kakaku.com/

センターメーターになれないせいか視認性がちょっとよくない。
乗り心地は普通です。
燃費は街乗りで8~10くらい、アップダウンが激しいのでちょっと悪いです。

出典:http://review.kakaku.com/

デザイン的には大きな不満はなく、足回りも必要十分な車種のため満足されているユーザーさんが多かったです。
燃費面では10~13kmとメーカー発表とは開きがありますが、皆さん大きな不満はないようです。

また、2代目のパノラマオープンドアは好評で、体の不自由な年配者にはドアの開き具合と助手席のアシストグリップは重宝するとの声もありました。

トヨタラウムのタイヤサイズは?

タイヤラック

トヨタ・ラウムのタイヤサイズは前後とも175/65/R14が標準仕様車です。初期モデルから2代目モデルまでタイヤサイズは同じですが、2代目の特別仕様車に15インチ扁平タイヤ+アルミホイールの設定がありました。

ラウムの中古車価格は?

2代目 トヨタ ラウム スマイル エディション 外装

出典:http://www.goo-net.com/

トヨタラウムの中古車は2012年まで生産されていただけあって値段の幅があります。
安いもので10万円以下で購入できるのですが高年式だと100万円を超えます。
また、年式の古い型は自動車税の重課があり注意が必要です。

トヨタ・ラウムの現在の中古車価格はこちら


スマイルエディシ…
84.0万円
本日の在庫
389
平均価格
36.7 万円
本体価格
5 ~ 99 万円

トヨタ・ラウムはなぜ生産を終了したのか?

2代目 トヨタ ラウム フロント

出典:https://ja.wikipedia.org/

2011年7月にラウムは生産拠点を神奈川県から宮城県大衡村へ移管されます。
この生産拠点の移管はトヨタ自動車の小型車を生産していた関東自動車工業がセントラル自動車、トヨタ自動車東北を吸収合併して発足したトヨタ自動車東日本の本社が宮城県大衡村に置かれることになった設備移管で、トヨタ自動車は東北の地で小型車の生産を始めました。

これに伴いラウムは移管当初、従業員の作業教育用の意味合いも持ち、ラウム生産終了後、スペードやポルテなどのコンパクトミニバン、ダイハツにOEM生産していたシエンタも同工場で生産を始めました。
ラウムは事実上スペードという後継車にラインを譲り、14年間の歴史に幕を閉じました。

この間、トヨタはプリウスやアクア、世界戦略車ビッツと次々に新型を発表し、その車体に載っている様々な新機構は先ずラウムやカローラなど大衆車で評判を試すといったテストベット的な役割も持っていました。

トヨタはプリウス、アクアなどハイブリット車が市民権を得て、開発の軸をエコカーと呼ばれる昨今の車種に重きを置くようになりました。
そのためテストベットとしての車種が必要なくなり、またマーケットの需要がハイトタイプのコンパクトミニバンに変わりつつあることからラウムの追加改良を打ち切り、その歴史に幕を閉じたのです。

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某大手自動車部品メーカーの元エンジニアです。みなさんが楽しんでいただけるような記事を書いていきます。よろしくお願いします。...

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