MOBY

【セルモーターとは】修理・交換費用と仕組みから寿命と故障の異音まで解説

セルモーターは、定期的に点検をするようなパーツではありませんが、エンジンの始動の際に極めて重要となるものです。今回は、セルモーターの仕組みや、寿命、故障の合図とも言える異音、修理及び交換費用について、皆さんにしっかりと知ってもらうために解説をしていきます。

セルモーターとは?

セルモーター

出典:https://ja.wikipedia.org/

セルモーターとは、エンジンで最初の爆発を起こすために、クランクシャフトを電動で回転させるための電装パーツです。
イグニッションキーや、エンジンスタートボタンなどのスイッチ動作により、バッテリーを電源として動作します。

キーを回したときに、キュキュキュキュ!と勢い良く鳴る音がセルモーターの回転音です。

別名をスターターモーターやセルスターターと言いますが、こちらの呼び名の方が、役割がわかりやすいですね。

セルモーターには2種類の方式が存在する!

歯車 ギア

出典 :©Shutterstock.com/ Zern Liew

ピニオン摺動式(直結式)

トルクの小さい自動車や、オートバイに用いられる方式です。この方式は、モーターの回転数を、ピニオンギヤを用いてそのまま動力として伝えます。

シンプル、且つ比較的安価で製造できる構造です。

レブリダクション式

トラックやディーゼルエンジン車のように、高いトルクを必要とするエンジンや、回転抵抗の大きいトルクコンバーターが使われるAT車に用いられる方式です。
この方式では、モーターの回転を直接ピニオンに伝えるのではなく、アイドルギヤ(減速ギヤ)もしくはプラネタリギヤ(遊星ギヤ)を介してモーターの回転数を落とし、トルクを増大させてから動力として伝えます。
モーターを小型化でき、軽量化を実現している反面、製造コストが比較的高く、複雑な構造です。アイドルギヤを用いる場合、狭義的に「リダクション式」、プラネタリギヤを用いる場合には「プラネタリ方式」と呼ぶこともあります。

クリーンディーゼル車や、AT車の普及が進んでいる現在、レブリダクション式が主流となっているため、この方式を前提に解説を進めていきたいと思います。

セルモーターはどんな仕組みで動くもの?

セルモーター

出典 :©Shutterstock.com/ jeffy11390

主な構造として、リダクション式はモーターに直結したドライブギヤと連結したアイドルギヤ、プラネタリ式はモーターに連結した遊星ギヤが、モーターの回転比率を調整する目的で、オーバーランニング・クラッチの手前部分に組み込まれています。

ギヤの接続と切断の切り替えは、マグネットスイッチにて行われます。

始めにイグニッションスイッチを入れると、電流がモーターのコイル部に流れ、ピニオンが飛び出します。その後、ピニオンとフライホイールが噛み合い、ギヤの回転により、フライホイールの回転がクランクシャフトに伝わり、エンジンを始動させるのです。

セルモーターが故障して回らないとどうなる?

セル 鍵 シリンダー 車

出典 :©Shutterstock.com/ EugenP

セルモーターが故障して回らない、などという事態になれば、エンジン起動の最初のステップができなくなるわけですから、当然エンジンキーを回しても何も起こりません。

ただ、セルモーターが動かない場合は、セルモーターの故障以前にバッテリー上がりの可能性もあるので、まずはバッテリー残量や正常かどうかの確認をして下さい。

基本的にセルモーターが故障する場合は、ギヤの劣化などで、寿命を迎えての事が多いと言われる程、故障しにくいパーツです。
しかし、エンジン始動後にセルモーターを回す癖がある人は要注意です。

通常、エンジン始動後はセルモーターを回転させても、ピニオンが直ぐに引っ込むような回路構造になっていますが、一瞬の噛み合いの際に、ギヤに余計な負荷をかけてしまいます。
こうした負担が重なると、セルモーターの寿命を早める結果となるでしょう。

マニュアル車にセルモーターは必須ではない?

マニュアル車は、いわゆる「押しがけ」というテクニックを使えば、最悪バッテリーが上がってセルモーターが回転しなくても、エンジンを始動できます。

まず、イグニッションスイッチを入れ、ローギヤに入れた後、人力で車を押し、10~15km/h程度の小走り状態でクラッチを繋ぐと、エンジンが始動します。

しかし、平成11年以降に製造された車では、クラッチを繋いだ状態ではエンジンが始動しない安全装備「クラッチスタートシステム」が搭載されることが多くなり、押しがけができない車となることがありますので注意してください。

AT車は、タイヤの回転による動力が、トルクコンバーターを介してエンジンに伝わりますが、この工程には、エンジンの力によって生じる油圧が必要となるめ、上記の手順が使えません。

AT車のバッテリー上がりは、致命的となるわけですね。

セルモーターから発する異音の正体とは?

異音 騒音

出典 :©Shutterstock.com/ WilmaVdZ

セルモーターを回した際に、「ギギギ・・・」や「ガリガリ」といった異音が生じることがあります。原因としては、ピニオンの歯の摩耗も考えられますが、もう1つ見るべき場所があります。

それは、ピニオンと噛み合ったフライホイールのリングギヤです。

リングギヤが摩耗すると、ピニオンが空回るように回転し、上記のような異音が発せられることがあります。

また、歯の摩耗以外に、ピニオンの引っ込む動作に不良がある場合も、中途半端にフライホイールと噛み合ってしまうことで、「キュイーン」といった鋭い音が生じます。

セルモーターの寿命はどれくらい?

出典 :©Shutterstock.com/ Lightspring

セルモーターは、通常であれば走行距離15万km程で寿命を迎えます。

ただ、短距離移動を多く繰り返すような乗り方をする場合は、10万kmを交換目安にした方がいいかもしれません。

理由は、セルモーターを起動する回数が後者の方が多く、部品の劣化や摩耗が早まるからです。

長く乗っている内に、先述のような異音が聞こえるときは、故障の初期症状なので、早めに修理に出しましょう。

セルモーター故障時の修理・交換費用

費用 ペン お金

セルモーター故障時は、ほとんどが部品交換で対処することになります。

リビルド品と交換して貰う場合は、安いものだと10,000円台で済みますが、エンジン始動のための大事なパーツなので、できるだけ新品を交換した方が良いでしょう。

通常の交換費用は、車種によりますが、30,000~50,000円が部品代として発生し、工賃が3,000~13,000円プラスされる形となります。

セルモーターの修理は、修理工場よりも、電装系の整備工場に依頼した方が適切です。

セルモーターに異常があれば急いで修理に出しましょう

エンジン スターター セルモーター

出典 :©Shutterstock.com/ J. Lekavicius

ここまで、セルモーターの仕組みや重要性、故障症状の目安や寿命、修理費用などを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

エンジン始動のスターターの役割を担うセルモーターは、1回1回の起動は小さくとも、車を発進させるために毎回あくせくと働いています。

1台の車を長く、大切に乗るのであれば、こういった裏で支えている電装部品にも注意を向けてあげなければなりませんね。

車のトラブルに関するおすすめ記事!

自動車用語に関するおすすめ記事!

この記事の執筆者

小真太郎この執筆者の詳細プロフィール

マツダ車がお気に入りです。 車全般に興味を持って、日々過ごしています。 どうぞ宜しくお願いします。...

関連キーワード
キーワードから記事を探す


関連する車種/メーカー
車種/メーカーから記事を探す