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ACC電源(アクセサリー電源)とは?ACC電源で使える機器は?

車には3種類の電源ON状態がある

©zilvergolf/stock.adobe.com

車において、電源がONの状態は「AC」「IG」「START」の3つがあります。

OFFはクルマの電装品などを動かす電気が通らず、エンジンも動いていない状態です。

ACCはAccessory(アクセサリー)の略で、英単語の頭3文字から取られた略語です。アクセサリースイッチとも言われ、車の中のごく一部の箇所に、補機バッテリーから供給される電気が通っている状態になります。

IGはイグニッションの略で、車の中のほとんどの箇所に電気が流れます。エンジンをかけるためのセルモーターやエアコン、ワイパーやウィンカー、パワーウィンドウなども、IGの状態で動作するものの代表例です。

STARTはエンジンがかかっている状態。クルマの中の全ての部分が動き出すスイッチになっているというわけです。

キーシリンダーにカギを差し込み回すタイプの車では、シリンダー部分にOFF、ACC、IGON、STARTといった4種類の文字が刻まれており、カギをどこまで回せば、車がどの状態になっているのかがひと目でわかりました。

プッシュ式のエンジンスタートスイッチが主流となった現在では、ACCとIGの違いが見た目ではわかりにくくなりました。

ACC状態になるとオレンジ色のランプが光る

一部例外もありますが、ブレーキを踏まずにスタートスイッチを1回押すとACC状態、2回押すとIG状態となり、ブレーキを踏みながらスタートスイッチを押すと、STARTの状態になります。

車のACC(アクセサリー)電源とIG(イグニッション)電源はどう違う?タイミングがポイント?

ACC電源で使える機器は何?

ACC状態では上段のナビは動くが下の意エアコンは動いていない

ACCをONの状態にすると、エンジンがかかっていない状態でも、ナビゲーションやオーディオ機器、ETC車載機、そしてシガーソケットやUSB端子等の電源供給口が通電状態となります。スマホの充電やナビ操作に関しては、エンジンをかけなくてもACC状態で可能というわけです。

このように、ACCで動くものは車の中でも極めて少ない電力で動くものに限られています。

車にとってエンジンをかけるという動作は、大きな電力を使う動きです。

短い時間でナビの設定などを行うだけなのに、いちいちエンジンをかけて、直後にすぐエンジンオフにしてしまうと、バッテリーへの負荷が大きくなります。そこで、大きな電力を消費するエンジンスタートを行わなくとも、一部の機器が動かせるようにACC状態というものを設けているわけです。

ドライブレコーダーやETC車載機、ナビやオーディオシステムなど、カー用品店では多くの後付けできる電装品が取り扱われています。

中でもドラレコやポータブルナビなどは、配線を繋ぐだけで比較的簡単に取り付けができますが、説明書を見てみると、「○○をACC電源につないでください」という注意書きがあることも。なぜでしょうか?

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ACCにつなぐ意味は「電源を切る」ため

@phantom1311/stock.adobe.com

では、なぜ後付けの電装品などは、ACC電源につなぐ必要があるのでしょう。それは、繋がれた電装品の電源をエンジンOFFと同時に切るためです。

電源を取り出す箇所としてよく使用するのがヒューズボックスやナビゲーション裏ですが、この中には、ACC電源と常時電源が混ざっています。

仮に、車の中で後付けの空気清浄機を動かそうと思ったときに、配線を常時電源につないでしまうと、エンジンを切った後も空気清浄機の電源は切れることなく動き続けます。車に乗っていない状態でも空気清浄機は動き続け、バッテリーは電気の消費をつづけることになり、最終的にバッテリーあがりにつながってしまうのです。

細かな電装品をACC電源につなぐよう、取り扱い説明書に記載があるのは、常時電源につなぎバッテリーあがりが発生することを防ぐため。ACC電源は、車載機器の電源をエンジンのON・OFFとリンクさせるために必要な、スイッチとしての役割も果たしているのです。

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ACCのまま電装品を使い続けると、どのくらいでバッテリーがあがる?

IGをONにした状態

駐車場などで止まっている時、ガソリンの消費を抑えるためにエンジンはOFFにします。

しかし、人を待っているなどの理由で、車内にとどまり、その間、音楽などを聞いていたいという場合には、ACC状態でオーディオを動かすと良いでしょう。エンジンは動かず、ガソリンも消費されないため、燃費を良くする手法の一つです。

ただし、ACC状態ではガソリンが使われない代わりに、バッテリー内の電気を使います。通常はエンジンの動作と一緒にオルタネーターという発電機でバッテリーへの充電が行われますが、ACC状態では充電ができず放電だけを行っている状態になるのです。

この状態が長時間に及ぶと、再びエンジンをかけるだけの電力がバッテリー内に残っておらず、エンジンをかけられない、つまりバッテリーあがりの状態になってしまうので注意が必要です。

ACCの状態で、どの程度の時間、電装機器を動作させるとバッテリーあがりにつながるのかはケースバイケースです。

しっかりと毎日100㎞以上の走行を行い、バッテリーも新しく元気な状態では、ルームランプを一晩点灯させ続ける程度ではバッテリーあがりは起きません。しかし、バッテリーが古い、またはクルマを動かすのが久しぶり、1回の走行距離が極端に短い走行を繰り返すなど、バッテリーの充電が不十分な状態では、バッテリー上がりが起こりやすくなるのは明白です。

筆者の経験上ですが、バッテリー状態の芳しくなかったクルマで、20分程度ACC状態でナビゲーションシステムを動かし、音楽を聴いていたら、エンジン再始動が出来なくなりました。

ACC電源は、機器の短い時間の操作に限ると考えておいた方が安全でしょう。

ACCモードは、電装機器を動かすためのモードではなく、あくまでクルマの構造上あるスイッチの一つ程度に理解しておくことが大切です。

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執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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