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クリーンディーゼルとは?ディーゼルとの違いや日本での搭載車種一覧を紹介

最近よく耳にするクリーンディーゼル。ディーゼル車とガソリン車の違いはご存知でしょうか。以前のディーゼルとクリーンディーゼルとの違いや、日本国内のクリーンディーゼルエンジン搭載車などをご紹介します。欧州では5割を占めるディーゼル車。日本でも今後さらに普及していくのでしょうか。

そもそもディーゼル車って何?

アテンザの画像

ディーゼル車とは、ディーゼルエンジンを搭載した自動車の事です。一般的な車に搭載されているエンジンがガソリンで動くのに対し、ディーゼルエンジンは主に軽油で動きます。

ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも、燃料の燃焼によるピストンの運動で回転エネルギーを得るレシプロエンジンに分類されます。

ディーゼルエンジンは一般的なガソリンエンジンと違って点火装置を必要とせず、圧縮されて高温になった空気に直接燃料を噴射し、燃料の自己着火により燃焼させます。

ディーゼルエンジンは軽油以外の液体燃料が使える事もありますが、車のディーゼルエンジンに関しては「ガソリンスタンドで軽油を入れて使用するもの」と覚えておいてください。

ディーゼル車とは?

クリーンディーゼルって以前のディーゼルと何が違うの?

普通のディーゼルのメリット・デメリットと環境問題

トラックのイラスト

以前のディーゼルエンジンにはメリットもありましたが、様々な問題もありました。

■メリット
・混合気を使用するガソリンエンジンの異常燃焼などで発生するノッキングが起きない
・高い出力が得やすい
・軽油はガソリンに比べて安価なため、燃料費が安くなる
・低回転でも高いトルクを得られやすく、燃焼効率が良いため燃費がいい
・二酸化炭素の発生量がガソリンよりも少ない

■デメリット
・燃え残りの粒子状物質(PM)や窒素化合物(NOx)、煤、黒煙などが発生する
・騒音や振動が大きい
・ガソリンエンジンに比べて高価になる

これらのデメリットのうち、最も問題になったのが環境に対する性能です。

特に、窒素化合物や粒子状物質の排出に関しては、自動車NOx・PM法という法律が定められ、排気ガスに含まれるPMやNOxの基準値に適合しないと車検が通らなくなりました。

窒素化合物(NOx)は、光化学スモッグや酸性雨の原因になると言われているものです。

自動車NOx・PM法とディーゼル車規制条例

ディーゼルエンジンは乗用車にも搭載されていますが、大型化して出力を上げやすいという特性から、トラックやバスなどの大型車に多く採用されています。

これら多くの車が出す排気ガスの問題は、20世紀の終わりごろから特に取沙汰されてきました。

1992年には、ディーゼル自動車の排気ガスに含まれる窒素化合物を抑制する目的で、都市圏を対象に自動車NOx法が制定されました。
さらに粒子状物質の規制の規制も追加し、対象地域に中京も含めた「自動車NOx・PM法」として改正されました。

排気ガス問題はディーゼル車のみの問題ではありませんが、特に黒煙や窒素化合物、粒子状物質を出しやすいディーゼル車は槍玉に挙げられる事が多かったようです。

ディーゼル車の規制が強化

都内を走る貨物車両のうち、ディーゼル車の割合は20世紀末のおよそ20年で、20%前後から60%前後まで増加したようです。
窒素化合物はガソリン車や船舶や航空機、工場なども排出していますが、中でもディーゼル車両の排出する割合が大きいと言われていました。

東京都がディーゼル車NO作戦なる政策を提案したのもこの時期です。
この政策は1999年から実施され、「ディーゼル乗用車に乗らない、売らない、買わない」などの項目も含まれています。
ディーゼル車にとっては暗黒期とも言うべき時代と言えるでしょう。

そして、東京や大阪などを含む一部の都市では、2003年にディーゼル車規制条例が施行されました。
環境規制に適合しない商用のディーゼル車は対象地域を運行できないという条例です。

乗用車は規制の対象外ですが、ディーゼル車全体の心象が悪くなっていた時期と言えます。

さらには、2009年にポスト新長期規制という規制が国土交通省により定められました。
これはディーゼル車の排出する粒状物質や窒素化合物をガソリン車と同等まで削減する事を目的としたもので、世界一厳しい排出基準とも呼ばれています。

こうして歴史に埋もれていくかと思われたディーゼルエンジンですが、メリットも大きく、ディーゼルエンジン独特のエンジンフィールを好む愛好家もいました。
そういった方々は、ディーゼルエンジンの規制が厳しくなっていくのを寂しく思っていた事でしょう。

しかし、その後ディーゼルエンジンの巻き返しが始まります。

クリーンディーゼルの登場

20世紀の後半にはすでに排気ガスの問題が深刻化しており、それに伴ってディーゼルエンジンの改良についても取り組まれてきました。

そして現在では、数々の技術革新により、ガソリン車並みの基準値を達成しています。

ディーゼルエンジンの粒子状物質と窒素化合物を減らす上で大事な事は、エンジンから排出される量をそもそも減らす事、排出されても取り除く事です。

排出される有害物質を減らすために、コモンレールシステムや、マツダの低圧縮ディーゼルなどが考案され、各社が工夫を凝らしています。

また、排出される粒子状物質を抑制するためのDPFと呼ばれるフィルターも、年々進化を続けています。

コモンレールシステム

コモンレールシステムとは、高圧にした燃料をレール内に蓄え、電子制御でタイミングよく噴射するものです。

従来よりも噴射が微細になり、燃え残りが少なくなる事で粒子状物質の発生を抑えます。

また、初期の噴射を抑える事で燃焼しすぎないように緩和し、騒音やNOxの発生を低減させます。

マツダのSKYACTIV-D低圧縮ディーゼルエンジン

SKYACTIV-Dの画像

マツダのスカイアクティブという言葉は最近よく耳にするかと思います。マツダがゼロから構築しなおしたエンジンやトランスミッション、シャシーなどの、新技術全般を指す言葉です。

その中に、SKYACTIV-Dというディーゼル式のエンジンがあります。
ディーゼルエンジンは一般的に高温高圧状態で軽油を自己着火させるため、高圧縮が必要でした。

マツダのSKYACTIV-Dはその常識を覆し、低圧縮のクリーンディーゼルエンジンを実現しました。

これは、空気と燃料の混合気を作り、気温が低くてもかかりやすくするための噴射装置であるマルチホールピエゾインジェクターと、燃料の燃焼具合を最適に保つために開く量を調節できる可変排気バルブ機構などの技術によって実現しました。

マツダのSKYACTIV-Dは14.0という世界一の低圧縮ディーゼルエンジンを実現しました。
燃費も20%も改善しており、グローバルな排出規制に対応できるクリーン性能も達成しています。

粒子状物質を抑制する技術

ディーゼルエンジンが排出する粒子状物質を取り除く方法の一つとして有効とされているのが、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)の設置です。

これはエンジンから排出される粒子状物質をフィルターによってろ過するというもので、、炭化ケイ素製、チタン酸アルミニウム製、コーディディエライト製などのものがあります。

これらの排気ガス浄化装置は、メーカーによってDPR、DPDなどと呼称されています。

尿素SCRシステム

尿素SCRシステムは、アンモニアと窒素酸化物(NOx)の化学反応を利用してNOxを浄化するシステムです。

UDトラックス(旧日産ディーゼル)が実用化し、現在では様々なメーカーが搭載しています。

トラックやバスなどの大型車メーカーを初め、国内外の多くのメーカーがこれを研究、発展させたシステムを採用しています。

数々の技術革新によりクリーンディーゼルとして復活

ディーゼルエンジンは、様々な技術革新によってクリーンディーゼルとして復活を遂げました。

日本でクリーンディーゼルを名乗れるのは、ポスト新長期規制で定められた厳しい基準をクリアした車のみであり、クリーンディーゼル車と認められれば国からクリーンディーゼル補助金が出ます。

このように現在ではクリーンディーゼルの普及に期待されており、環境問題に高い関心を持つな欧州ではプラグインハイブリッドとともにディーゼル車も普及し、欧州の主要な国ではおよそ半分ほどがディーゼル車と言われています。

日本ではまだ古いディーゼルの悪いイメージが残っており、欧州ではクリーンディーゼル車を販売していても国内では販売していないメーカーも多くあります。

しかし、マツダのクリーンディーゼル車はガソリン車を超えるほどの売り上げを見せており、今後はさらにクリーンディーゼル車が普及していく事が予想されます。

日本国内での代表的なクリーンディーゼル車をご紹介!

日本国内で販売されている、または販売されていたクリーンディーゼルエンジン搭載車をご紹介します。

メルセデスベンツやBMWはもちろん、日本の自動車メーカーも多くのディーゼルエンジン搭載車を発売しています。

マツダ・CX-5

CX-5の画像

マツダのCX-5はスカイアクティブテクノロジーを全面採用した初の車であり、ディーゼルターボエンジンのSKYACTIV-D2.2を始めて搭載した車でもあります。

SKYACTIV-D2.2は低圧縮ディーゼルを実現したおかげで尿素SCRシステムなどの後処理システムを必要とせず、DPFのみでポスト新長期規制の基準をクリアしています。

■エンジン性能
エンジン総排気量 (L) 2.188
エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm) 129〈175〉/4,500
エンジン最大トルク (N・m<kgf・m>/rpm) 420〈42.8〉/2,000

■JC08モード燃費
18.0km/L~18.4km/L

■価格
ディーゼルエンジンモデルの価格は283万円~348万円です。

マツダ・デミオ

デミオの画像

マツダのコンパクトカー、デミオは2014年のフルモデルチェンジで日本仕様車として初めてディーゼルエンジン搭載モデルをラインナップしました。

SKYACTIV-D1.5は1.5Lエンジンながら、2.5Lガソリンエンジンに匹敵するトルクを持ち、なおかつハイブリッド車に迫る30.0km/L(JC08モード燃費)という低燃費を実現しました。

高価になりやすいディーゼルエンジンながら、ガソリンエンジン搭載モデルとさほど変わらない価格設定にも注目です。

■エンジン性能
エンジン総排気量 (L) 1.498
エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm) 77〈105〉/4,000
エンジン最大トルク (N・m<kgf・m>/rpm) 250〈25.5〉/1,500-2,500

■JC08モード燃費
22.8km/L~30.0km/L


■価格
ディーゼルエンジン搭載モデルは、178万円~222万円です。
ガソリンエンジン搭載モデルは、135万円~194万円です。

マツダ・アテンザ / アテンザワゴン

アテンザの画像

マツダのフラッグシップモデルに位置付けられるアテンザのセダンと、ステーションワゴンモデルであるアテンザワゴンも、SKYACTIV-D2.2を搭載しています。

これはCX-5に搭載していたディーゼルエンジンの改良型にあたります。
わずかなアクセル操作にも正確に反応しなめらかな加速を実現する新技術、DE精密過給制御がSKYACTIV-Dに採用されています。

■エンジン性能
エンジン総排気量 (L) 2.188
エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm) 129〈175〉/4,500
エンジン最大トルク (N・m<kgf・m>/rpm) 420〈42.8〉/2,000

■JC08モード燃費
18.2km/L~22.4km/L

■価格
ディーゼルエンジン搭載モデルは、317万円~400万円です。

マツダ・アクセラ

アクセラの画像

2013年にフルモデルチェンジしたマツダのアクセラもSKYACTIV-Dを搭載しています。

アクセラはクリーンディーゼルエンジンの1.5Lモデルと、2.2Lモデルがラインナップされています。

■エンジン性能(2.2Lモデル)
エンジン総排気量 (L) 2.188
エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm) 129<175>/4,500
エンジン最大トルク (N・m<kgf・m>/rpm) 420<42.8>/2,000

■JC08モード燃費(2.2Lモデル)
18.0km/L~21.4km/L


■エンジン性能(1.5Lモデル)
エンジン総排気量 (L) 1.498
エンジン最高出力 (kW<PS>/rpm) 77<105>/4,000
エンジン最大トルク (N・m<kgf・m>/rpm) 270<27.5>/1,600-2,500

■JC08モード燃費(1.5Lモデル)
21.6km/L

■価格
ディーゼルエンジン搭載モデルは、230万円~331万円です。

UDトラックス・クオン

クオンの画像

UDトラックス(旧・日産ディーゼル)のクオンは、世界で初めて尿素SCRシステムを搭載したトラックです。

発売は2004年で、2005年に施行された2005年の新長期規制に一年前倒しで適合しました。

2010年にはポスト新長期規制にも適合しています。

日野・レンジャー

日野レンジャーの画像

日野のレンジャーは、1995年にデンソーが世界で初めて実用化したコモンレールシステムを搭載しました。

現在のモデルは、エンジンを徹底改良しNOx・PMを低減し、CO2の排出も抑えています。
さらに高耐熱性セラミックフィルターでNOx・PMをろ過し、ポスト新長期規制にも適合しています。


いすゞ自動車・フォワード

フォワードの画像

いすゞ自動車のフォワードは中型トラックでは初めて2005年の新長期規制に適合しました。

また、いすゞ自動車はコモンレール方式をいち早く取り入れ、コモンレール式直噴ディーゼルエンジン4JX1-TCは1998年にテクノロジー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

現在は、クリーンディーゼルエンジン「D-CORE」を開発し、ポスト新長期規制にも適合しています。

トヨタ・ランドクルーザープラド

ランドクルーザープラドの画像

2015年にマイナーチェンジしたランドクルーザープラドは、トヨタの国内向け乗用車として8年ぶりのディーゼルエンジンを搭載しています。

このクリーンディーゼルエンジンは、コモンレール式燃料噴射システムや、排気ガス浄化装置(DPR)、尿素SCRシステムなどを導入し、ポスト新長期規制の基準に適合しています。

■エンジン性能
総排気量L 2.754
最高出力ネットkW(PS)/r.p.m. 130(177)/3,400
最大トルクネットN・m(kgf・m)/r.p.m. 450(45.9)/1,600~2,400

■JC08モード燃費
11.2km/L~11.8km/L

■価格
396万円~513万円です。

日産・エクストレイル20GT

出典:http://www.goo-net.com/

日産のエクストレイル20GTは、2008年に前倒しで2009年のポスト新長期規制に適合し、世界で初めてポスト新長期規制に適合した車となりました。

このエクストレイル20GTはコモンレール式のディーゼルエンジンを装備しており、DPFやリーンNOxトラップ触媒などによりポスト新長期規制の厳しい基準に対応しています。

バランサーシャフトを装備しディーゼルならではの振動を抑え、騒音も低減しています。

このクリーンディーゼル車を含む2代目エクストレイルは2015年に販売を終了しています。

メルセデスベンツ・E350ブルーテック

出典:http://www.goo-net.com/

2010年に発売されたメルセデスベンツのE350ブルーテックは輸入車で初めてポスト新長期規制に適合しました。
ブルーテックは尿素SCRシステムや排気系の改善により厳しい基準をクリアしました。

メルセデスベンツは2006年にもディーゼルエンジン搭載のE320CDIを発売しており、この時期に日本国内で発売される唯一のディーゼルエンジン搭載車となっています。

三菱・パジェロ

パジェロの画像

三菱から発売されている本格SUVのパジェロも、2010年にポスト新長期規制をクリアしています。

現在のモデルは2006年のフルモデルチェンジによる4代目で、2010年のマイナーチェンジ時にエンジンが改良され、NOx排出量が低減されました。

ポスト新長期規制をクリアし、クリーンディーゼル車と認められた事により、自動車取得税と自動車重量税が全額免除されます。

■エンジン性能
総排気量(L)  3.200
最高出力「ネット」(kW[PS]/rpm)   140[190]/3500
最大トルク「ネット」(N・m[kgf・m]/rpm)   441[45.0]/2000

■JC08モード燃費
10.0km/L~10.4km/L

■価格
クリーンディーゼルエンジン搭載車は、375万円~495万円です。

BMW・320dなど

BMWの画像

BMWは2012年に発売したX5xDrive35dブルーパフォーマンスがポスト新長期規制をクリアしました。

以降は続々とポスト新長期規制をクリアするクリーンディーゼルエンジン搭載車をラインナップしています。

SUVのX5やX3だけでなく、乗用車モデルの3シリーズや5シリーズでもクリーンディーゼル車を発売しています。

■エンジン性能(320d)
総排気量(cc)
1,995
最高出力(kW 〔ps〕 / rpm (EEC))
140〔190〕/4,000
最大トルク(Nm 〔kgm〕 / rpm (EEC))
400〔40.8〕/1,750-2,500

■JC08モード燃費(320d)
21.4km/L

■価格(320d)
クリーンディーゼルエンジン搭載車は、532万円~577万円です。

環境に優しくなって復活したクリーンディーゼルエンジン

アクセラの画像

クリーンディーゼルエンジンは低回転域でのトルクが高く、二酸化炭素の排出もガソリンよりも少ないというメリットがあります。

現在のクリーンディーゼルエンジンは、ポスト新長期規制の厳しい基準をクリアし、ガソリンエンジンよりも環境に優しいと言えるものになっています。

欧州ではすでに全体の5割を占めるほど普及しており、日本でもマツダのクリーンディーゼルの成功を受けて注目が高まっています。

新技術の開発とともにさらに進化していくクリーンディーゼルの今後に期待したいですね。

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