V6エンジンとは?高級車に多く採用されるV型6気筒エンジン!しかしデメリットが!?

V6エンジン(V型6気筒エンジン)は1950年のランチア・アウレリアへの採用を契機として急速に普及したエンジン形式です。このエンジンは全長を短く、コンパクトにできるというメリットがある反面、デメリットが多く、実用化に時間がかかりました。今回はそんなV6エンジンの歴史を車種を交えてご紹介します。

V6エンジンとは

V6エンジン(アルファロメオ)

アルファロメオのV6エンジン

出典:http://auto.ikomasov-budo.ru/

「V6エンジン」と略されて呼ばれることが多いV型6気筒エンジンは、6本のシリンダーを3本ずつ左右交互に配列し、1本のクランクシャフトに対してV字型に配置したレシプロエンジンのことを指します。

2000年代までは直列4気筒に次いで広く普及していたエンジン形式でしたが、最近では欧州車を中心にダウンサイジング・コンセプトのエンジンが主流になりつつあり、Eセグメント以上の大型車・高級車を除いて採用例は減りつつあります。

V6エンジンの歴史

1911年型ドライエ・タイプ44

ドライエ・タイプ44

出典:https://www.flickr.com/

V型エンジンの歴史をひも解くと、V2、V4、V8、V12、V6の順番で開発されました。

世界初のV6エンジンは、アメリカの自動車メーカー・マーモンが1908年に試作したV6エンジンとも、フランスの高級車メーカー・ドライエが、1911年にドライエ・タイプ44用に開発したバンク角30度V6エンジンとも言われています。
しかし、これ以降V6エンジンを搭載するメーカーは第2次大戦後まで現れることはありませんでした。

1950年型ランチア・アウレリア

出典:http://www.favcars.com/

技術的なブレイクスルーにより、V6エンジンを広く普及させるきっかけとなったのは、1950年に誕生したランチア・アウレリアです。

ヴィットリオ・ヤーノの設計チームに所属していたフランチェスコ・デ・ヴィルジリオが手掛けたアウレリアのバンク角60度V6エンジンは、対抗するシリンダーの2本のコンロッドにそれぞれピンをつけ、そのピンの間に1枚ウエブを挟み込み、両方のピンを位相角にしたクランクシャフトを開発。
捻り角60度に採ったオフセットピン式クランクを60度バンクと組み合わせたことで、等間隔着火を実現したのです。

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V6エンジンのデメリット

アウレリアのバンク角60度のV6エンジン

アウレリアのバンク角60度のV6エンジン

出典:http://www.wikiwand.com/

マーモンの試作エンジン以来、真に実用的なV6エンジンが長らく開発されなかった背景には、この等間隔着火の問題がありました。

4サイクルエンジンは、クランクシャフトが2回転するごとに吸気・圧縮・燃焼・排気の4つの工程を行います。
V8エンジンを例にすると、720度÷8気筒=90度となり、バンク角を90度とすれば等間隔着火が可能となります。
ところが、V6の場合は720度÷6気筒=120度となり、等間隔着火を実現するためには、エンジン幅が極端に大きなバンク角120度のエンジンとなります。
これではサイズ的に乗用車に搭載することが難しいため、長らくV6エンジンは実用化されなかったのです。

バンク角90度のPRV(プジョー・ルノー・ボルボ)製V6エンジン

PRV製V6エンジン

出典:https://forum.alpinerenault.com/

こうした流れを変えたのが、フランチェスコ・デ・ヴィルジリオが開発したV6エンジンでした。
アウレリアによって初めて乗用車に適したエンジン形式となったV6エンジンは以降改良が加えられ、DOHC搭載に適したバンク角65度、レスポンスに優れたバンク角90度のV6などが開発され、急速に普及して行きました。

しかし、V6エンジンは直列3気筒エンジンがV型に並ぶ構造のため、片側バンクに相当する直列3気筒エンジンと同じく、エンジン全体を揺り動かす偶力振動が発生してしまうという欠点があります。
バンク角60度では真円運動となるため、バランスウェイトを追加することで振動を消すことができますが、他のバンク角では楕円になるためにバランスウェイトを追加しても完全に振動を消すことはできません。

そのため、シリンダー数が同じ直列6気筒エンジンと比べると振動面では不利になります。
これが長らく「エンジンフィールエンジンサウンドの面でV6エンジンは直6エンジンに劣る」といわれてきた理由です。
また、構造的にも複雑かつ部品点数が多くなるため、重量が重くなり、コスト面やメンテナンス性に劣るというデメリットもあります。

また、同じ排気量で比べた場合、構造が複雑で重量が重いV6エンジンはパワーやフィーリングの面では有利になりますが、燃費性能では直4エンジンに比べて不利になるようです。

V6エンジンのメリット

日産製VG型V6エンジン

日産VG型V6エンジン

出典:https://www.jspecauto.com/

しかし、デメリットを凌ぐメリットがV6エンジンにはあります。

それは同じ気筒数の直列6気筒エンジンに比べて、全長を短く、エンジン全体をコンパクトにできるため、ひとつのエンジンで縦置きのFR車にも横置きのFF車にも対応ができるという設計の自由度の高さがあるのです。
また、V6エンジンは全長が短いことで直6エンジンよりもエンジン本体やクランクシャフトの剛性を確保する必要がなく、設計やエンジン部品の製造面でコスト的に有利となります。

年々厳しくなる安全規制をクリアするためにコンパクトなV6が有利となることは言うまでもありません。

V6エンジンの搭載車種

トヨタ・クラウンの衝突実験

クラウンの衝突実験

出典:http://techon.nikkeibp.co.jp/

90年代以降、クラッシャブルゾーンの確保が容易なV6エンジン搭載車が増えました。

メルセデス・ベンツは伝統の直列6気筒エンジンを捨てV6エンジンとしたほか、V12エンジンや直6エンジンを好んで採用してきたジャガーもXJ以下のモデルにはV6エンジンを与えています。
また、シュリンクが進むアメリカ車は、80年代以降V8エンジンに代わってV6エンジン搭載車が増えています。

ただし冒頭でも述べた通り、近年ダウンサイジング・コンセプトのエンジンが主流になりつつあり、Eセグメント以下の乗用車の採用例は少なくなりつつあります。

V6エンジン搭載の国産車

日産セドリック(Y30型)

出典:https://nissan-heritage-collection.com/

V6エンジンの日本車への初搭載は、1983年にデビューした日産セドリック/グロリア(Y30型)のVG型エンジンでした。


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日産ブルーバード・マキシマ(PU11型)

出典:https://nissan-heritage-collection.com/

FF車へのV6エンジンへの搭載は同じエンジンを搭載する1984年に登場したブルーバード・マキシマ(PU11型)が初となりました。

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三菱ミラージュ/ランサーに搭載された1.6L V6エンジン

三菱製1.6L V6エンジン

出典:http://www.zerotohundred.com/

1990年代バブル末期には三菱が市販車としては世界最小(現在でもこの記録は破られていません)となる1.6LV6エンジンを開発。
ミラージュ/ランサーにこのV6エンジンは搭載されましたが、あまりにも小さなV6エンジンは燃費性能や効率面で問題があり、わずか4年で1.8Lに排気量を拡大しています。

現在ではレクサスGS、同ES、トヨタ・クラウン、同マークX、日産スカイライン、同ティアナなどの中/大型乗用車を中心に搭載されています。
そのいっぽうで国内販売モデルからV6モデルを廃止したマツダのような例もあり、今後は欧州車と同じく、V6エンジンは高級車への搭載に限られるようになると思われます。


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V6エンジンの車に乗りたい!

V6エンジンの画像(シボレー・カマロ)

シボレー・カマロのV6エンジン

出典:http://www.camaro5.com/

V6エンジンについて詳しくご紹介してきました。

とりあえず、すごいエンジンというイメージしかなかったかたもその歴史や搭載車種なども理解し、詳しくなることができたのではないでしょうか。

エンジンは日々進化しています。
高性能なエンジンでドライブしてみると、自動車は単なる移動手段というだけでなく、運転を楽しむものだということを実感できるようです。
これを機にレンタカーなどで試し乗りしてみてもいいかもしれませんね。

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