初めて車と出会う人の為の車情報メディア MOBY [モビー]

いすゞビークロスの歴史と現在の中古車価格は?【日本の名車】

いすゞ・ビークロスは、第30回東京モーターショーに参考出品されたコンセプトカー「ヴィークロス」から発展したスペシャルティーカーとSUVの元祖クロスオーバー車です。少量生産車として開発されたレアなビークロスの歴史と中古車価格について解説します。

いすゞ・ビークロスとは?


いすゞ・ビークロスは、いすゞ自動車が1997年に発表したクロスオーバーSUVです。

現在はトラックとバスの専業メーカーとして知られるいすゞ自動車は、かつてはトヨタ、日産と並んで「日本自動車業界の御三家」と呼ばれていました。しかし、乗用車部門は長らく不振を続けており、経営立て直しのため、1993年に乗用車の自社開発・生産から撤退しました。

その後はホンダから乗用車のOEM供給を受けつつ、SUVの国内販売を続けてきましたが、2002年に日本国内での乗用車とSUVの販売を打ち切って乗用車事業から撤退。
2008年には北米でのライトトラック事業撤退に伴い、SUVの開発も停止しています。

ビークロスはそんないすゞが送り出した、日本国内最後の市販SUVとなりました。

全長:4,130mm
車幅:1,790mm
車高:1,710mm
ホイールベース:2,330mm
車重:1,750kg
エンジン:3.2L V6DOHC
最高出力:215ps/5,600rpm
最大トルク:29.0kg-m/3,000rpm
トランスミッション:4AT
価格:295万円


中古車情報
システムメンテナンス中


いすゞ・ビークロスの歴史

コンセプトカー「ヴィークロス」

いすゞ・ビークロスの歴史は1993年の第30回東京モーターショーに参考出品されたコンセプトカー「ヴィークロス」(ビークロスではありません)に遡ります。

このヴィークロスは、SUVとスペシャルティーカーのクロスオーバーという大胆コンセプトで製作されたコンセプトカーで、SUVながらも曲線を多用した前衛的なデザインが話題を呼びました。

その後、好評だったヴィークロスの市販化が決定しました。コンセプトカー「ヴィークロス」ではジェミニ4WDのプラットフォームを流用していましたが、乗用車撤退に伴ってビッグホーンショートボディのシャシーを使用する本格的なクロスカントリーSUVに変更されました。

そして、東京モーターショーへの出展から4年後の1997年、ヴィークロスは「ビークロス」へと車名を改め(一説では、いすゞ担当者が運輸省への認可書類を提出する際に、誤って「ヴィークロス」ではなく「ビークロス」の名前にしてしまったとの説がありますが、真意は分かりません。)、ニューモデルとして発売を開始しました。

コンセプトカーと市販車では、ベース車両の変更にともなってオーバーハングの長さなどのデザイン上の微妙な差違が見受けられますが、全体的な雰囲気はよくコンセプトカーのものを再現しています。

ヴィークロスのベースとなったいすゞ・ジェミニ


中古車情報
システムメンテナンス中


いすゞ・ビークロスのデザイン

サイモン・コックス氏の手掛けたキャデラック


ビークロスのデザインは、ベルギーのIEE(いすゞ・ヨーロッパ・エンジニアリング)で行われ、同社の中村史郎氏(現在の日産自動車常務・デザイン本部長)がチーフデザイナーとなって進められました(チーフデザイナーは途中で交替します)。

エクステリアデザインは、後年GMのデザイナーとしてキャデラック・シエンなどを手がけたサイモン・コックス氏が担当しました。

ピアッツァや117クーペがデザインに影響

いすゞ・ビークロスのスタイリングを担当するにあたってサイモン氏は、「キャラクターの強いニッチな商品が今の自動車業界には必要」との認識を持っており、「かつていすゞが発売していた117クーペやピアッツァの精神的な後継車」としてビークロスをデザインしたそうです。

また、彼は日本のアニメに「ジャパン・オリジナル」を見出していたようで、ビークロスのイメージスケッチにはイメージソースとしてガンダムが描かれていました。

↓いすゞ117クーペ

#117クーペ #いすゞ #ジウジアーロ #当時のカタログは篠山紀信撮影 #1968 いつか欲しい

Ryo Oekiさん(@ryoosta)が投稿した写真 -

↓いすゞ・ピアッツァ

#いすゞ #ピアッツァ #日本の名車 もはやスーパーカー 憧れの日本車

CHIKATOさん(@micro316)が投稿した写真 -


いすゞ ビークロスの製造

出典:©Shutterstock.com/Suvorov_Alex

いすゞ・ビークロスの生産に当たっていすゞは少量生産の実験的な意味合いを兼ねて、ボディプレスにセラミック(コンクリート)製金型が採用されました。

当初は金型の耐久性の問題から、2,000〜3,000台の生産が想定されていましたが、予想よりも金型の耐久性が高かったため、最終的には日米合せて5000台以上が生産されました。

なお、ビークロスの車体組み立てに際しては、収縮率の異なる鋼板とPP(強化プラスチック)とをうまく接合させることが難しかったことから、かつて117クーペ・ハンドメイドに携わった熟練組立工が手作業で行っていたそうです。

ビークロスのバリエーション

いすゞ・ビークロス175リミテッドエディション

1997年、いすゞ・ビークロスにはボディバリエーションを大幅に増やした「プレミアムプロデュースカラー25」がオプション設定されました。

追加された新色はかつていすゞが製造していた乗用車・SUVのイメージカラーをもとにしており、そうした意味においてもビークロスはいすゞの乗用車・SUVの集大成的な意味合いが含まれていました。
プレミアムカラーの発売後、塗装工程は熟練した職人による手吹き作業となりました。

中にはほとんど受註がなかった塗装色もあり、ボディカラーによってはわずか2台しか市販に至らなかった色もあるようです。

1999年2月、国内での販売終了がいすゞからアナウンスされ、最終限定車として「175リミテッドエディション」を発売されました。
このモデルは国内仕様に代わって生産される北米仕様に準じた仕様になっており、各部にメタル調のパーツを使用し、ポリッシュ加工されたアルミホイール、立体デカール、本革シート、シリアルナンバーを刻印した記念プレートが装備されました。

コンセプトカーのいすゞVX-02/VX-04

国内での販売終了後、排気量を3,500ccに改めた北米仕様の生産がスタートしました。
現地法人は需要の掘り起こしと話題作りのために2台のコンセプトカーを製造します。
1台は1999年に発表された「VX-02」。
もう1台は2000年に発表された「VX-04」です。
前者は北米で需要の高いオープンモデルで、後者はビッグホーンロングボディのシャシーを使用した4ドアモデルでしたが、ともに量産は見送られています。
02年に北米向けビークロスは、ニューモデルのアクシオムに後継を託して生産を終了しました。

近未来的なスタイリングを持つビークロスは、特撮作品でも多用され、「ウルトラマンネオス」の特捜車両「ハートビーターSX」や「ウルトラセブン1999」の新型「ポインター」として活躍しています。

ビークロスの中古車価格

中古車情報サイトを確認すると、デビューから20年近くが経過している古いモデルにもかかわらず、ビークロスは常時10〜20台程度の中古車が売りに出されているようです。たしかに流通台数は少ないですが、どんなに探しても見つからない・・・というレベルではありません。

中古車価格はまちまちのようで下は30万円台から上は130万円を超えるものまであります。

ここまで流通台数が少なくなると、販売価格とコンディションは必ずしもリンクしなくなります。

同じようなコンディションのクルマでも、希少性から販売価格を高めに設定する中古車店もあれば、単に古いクルマとして安く売り出す店もあるのでしょう。


中古車情報
システムメンテナンス中


いすゞ有終の美を飾ったビークロス


いすゞ・ビークロスについてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?

もはやネオクラシックの領域に差し掛かっているビークロスですが、基本的には丈夫なクルマですし、セミハンドメイドの少量生産車ということで、他車の流用パーツを多用していることから意外なことに維持は難しくないようです。

一例を挙げると、ヘッドライトのシールドビームはオートザム・キャロル、フロントターンレンズはダイハツ・オプティ、サイドターンレンズはユーノス・ロードスター、ポジションレンズには日産パオ、ハイマウントストップランプはマツダ・ファミリアアスティナといった具合です。

ビークロスの内外装のパーツは現在では入手が難しくなったものもあるようですが、動かすのに必要な部品や消耗品は現在でも入手が可能です。
そうした意味ではネオクラシックカーの入門用としてもオススメできます。

数々の名車を生み出してきたいすゞ最後のSUVとして、これから価値が見直される日が来るかも知れません。ビークロスは中古車価格が高くなる前に、ぜひ乗っておきたい1台です。

SUVに関するおすすめ記事!

日本の名車に関するおすすめ記事!

この記事の執筆者

山崎 龍この執筆者の詳細プロフィール

1973年1月東京生まれ。自動車専門誌の編集を経てフリーライターに。自動車専門誌を中心に、航空、ミリタリー、映像作品、オタクカルチャー、政治などの 様々なジャンルに寄稿する雑文ライター。 著書に『最強!連合艦隊オールスターズ』『萌えだらけのクルマ選び』(共にイカロス出版)、『「...

下取りより平均16万円も高く売れる!
複数の買取業者で一括査定「ズバット車買取」

おすすめポイント

  • 9月は高額査定のチャンス!
  • 利用者数100万人超えの業界最大手
  • 下取りより平均16万円も高く売れる!
  • ガリバー、ビッグモーター、カーセブンなど地域に合わせた最大10社の査定相場を簡単に比較!
  • 7割が5万円以上の査定額差を体験
  • 愛車の査定相場をチェックするだけでもOK
運営会社提携業者数最大査定依頼数査定依頼業者の選択
株式会社ウェブクルー約211社10社

関連キーワード
キーワードから記事を探す


関連する車種/メーカー
車種/メーカーから記事を探す