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減速比や変速比とは?最終減速比が上がればトルクも上がる?

車の変速比や減速比の意味、カタログ表記の見方などを基本的なところから分かりやすく解説。またカスタマイズとして減速比を上げた場合、どのようなことが起こるのか、トルクは上がるのかを解説します。

自動車の変速比や減速比とは?

日産 GT-R NISMO 新型 2017年

変速比や減速比は、車の加減速に大きく影響する数値です。カタログのスペック表に車の大きさや排気量などと一緒に 書かれていることが多いでしょう。

車に乗っているトランスミッションの性能を表している数字で、走りのニュアンスを決めるものです。そのため車の性格を表すと言われるのです。しかし変速比や減速比をどうやって見ていけば車の性格が分かるのでしょうか?

トランスミッションの役割とともに、変速比と減速比の読みかたを解説していきたいと思います。

トランスミッションとは?

トランスミッションの画像

出典 :©Shutterstock.com/loraks

変速比や減速比は車のトランスミッションの性能を表す数字です。ところでトランスミッションとはいったい何なのでしょうか?

トランスミッションとは、日本語に訳すと「変速機」と呼ばれ、エンジンの力をタイヤに伝える役割を果たします。

自動車のタイヤとエンジンは直接つながっているわけではなく、エンジンとタイヤの間にはトランスミッションがあり、エンジンの力はトランスミッションを通してタイヤへと伝えられているのです。

トランスミッションの役割

自転車の画像

出典 :©iStockphoto.com/mytro Aksonov

自転車では、漕ぎはじめは大変ですが走り出してしまえば楽ですよね。同じように車にも発進するときには大きな力が必要です。

しかしいったんスピードに乗ってしまえば、さほど大きな力は必要になりません。

自転車ならば漕いでいる人が頑張ったり、少し力を抜いたりすればいいのですが、自動車のエンジンは人間のように器用な出力の調整ができるわけではありません。

そこでトランスミッションがタイヤに伝わる力を調整しているのです。

車が加速するとき

タイヤ バーンアウト

出典 :©iStockphoto.com/Toa55

車も発進や加速をするときには大きな力が必要になります。しかしエンジンはその性質上、大きな力を出すためには高い回転数が必要になります。

まだスピードが出ていない回転数の低いタイヤと、大きな力を出す回転数の高いエンジン。

加速をするとき、トランスミッションはこの2つをつなげなければなりません。

速く走るとき

ランボルギーニ アヴェンタドールS

スピードに乗って速く走るとき、大きな力は必要ありません。しかし必要な力が少ないということは、エンジンはあまり回転数をあげる必要がありません。

スピードに乗った回転数の高いタイヤと、大きな力の出ない回転数の低いエンジン。

速く走るとき、トランスミッションはこの2つをつなげなければなりません。加速するときとは逆のパターンです。

トランスミッションの変速とは?

トヨタ86 シフトノブ

走行状況に応じて、エンジンとタイヤのつなぎ方を変えることを変速と呼びます。「1速、2速」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。これはギア段といい、変速の種類を表す言葉です。

たとえば発進するときの、回転数の低いタイヤと回転数の高いエンジンをつないでいる状態が1速です。

基本的に車の速度が増すとギア段は上がっていき、最高ギア段は4速や5速。車の種類によっては6速や8速などの高いギア段になります。
どんな時に大きな力をタイヤに伝え、どんな時に楽に気持ちよく走るのか。

それを決めるのがトランスミッションであるため、トランスミッションの性能、すなわち変速比や減速比が「車の性格を表す」といわれるのです。

変速比・減速比とは?

ここまで、トランスミッションの役割や変速の意味について説明してきました。続いて表題にある変速比と減速比の説明に移っていきましょう。

変速比とは?

変速比とは各ギア段での、エンジンの回転数とタイヤに向かう回転数の比です。例えばトヨタのセンチュリーという車を例に見てみましょう。
カタログ上の変速比は以下のようになっています。

変速比1速3.296
2速1.958
3速1.348
4速1.000
5速0.725
6速0.582
R2.951
減速比3.461

1速の変速比を見てみましょう。3.296とあります。これは、タイヤに向かう場所(トランスミッション)が1回転するあいだに、エンジンは3.296回転しているという意味です。

つまり、タイヤの回転数が低くエンジンの回転数が高い状態です。
続いて6速の変速比を見ると0.582ですので、今度はタイヤに向かう場所が1回転する間に、エンジンは0.582回転しかしていません。

つまり、タイヤの回転数が高くエンジンの回転数が低くなっている状態です。

減速比とは?

減速比にはいくつかの呼び方があります。デファレンシャル比(デフ比)や最終減速比(ファイナルギア比)とも呼ばれていますが、意味はすべて同じです。

減速比とは、変速した後の回転数とタイヤの回転数の比です。

さきほど変速比をタイヤに向かう場所の回転数とエンジンの回転数の比と表現しましたが、減速比はこの、タイヤに向かう場所とタイヤの回転数の比になります。

エンジンの力は、変速を終えたあとデファレンシャル(デフ)という場所を通ってタイヤへと伝わっていくのです。一般的にデファレンシャルは、前輪駆動(FF)車ではトランスミッションの中に、後輪駆動(FR)車はトランスミッションの外にあります。

総合減速比とは?

総合減速比
変速比1速3.29611.407
2速1.9586.777
3速1.3484.665
4速1.0003.461
5速0.7252.509
6速0.5822.014
R2.95110.213
減速比3.461

減速比は変速した後の回転数とタイヤの回転数の比です。つまり変速比に減速比をかけることで、エンジンの回転数とタイヤの回転数の比がわかるのです。この比のことを総合減速比と呼びます。

例えば先ほどのセンチュリーの減速比は3.461です。1速の変速比は3.296でしたから、変速比と減速比を掛けた11.407これが総合減速比になるのです。

変速比・減速比から車を比較する方法

センチュリーハイエース
総合減速比総合減速比
変速比1速3.29611.4073.60017.550
2速1.9586.7772.09010.189
3速1.3484.6651.4987.254
4速1.0003.4611.0004.875
5速0.7252.5090.6873.349
6速0.5822.0140.5802.828
R2.95110.2133.73218.194
減速比3.4614.875

トヨタのセンチュリーとハイエースを例に見てみましょう。1速の総合減速比は、センチュリーが11.407に対し、ハイエースは17.550。

仮に同じエンジンだった場合、最初の加速についてはハイエースのほうが力強いことを表しています。次に6速を見てみましょう。

総合減速比は 、センチュリーが2.014に対し、ハイエースは2.828。
同じエンジンだった場合、センチュリーのほうが最高速度が高いということになります。

同じように他のギア段も総合して見てみると、ハイエースは力強くどっしりとした性格、センチュリーは軽快でのびやかな性格ということが分かってきます。

最終減速比が上がればトルクも上がるのか?

エンジンやタイヤから出る力のことをトルクと呼びます。
では総合減速比とトルクの関係はどのようになっているのでしょうか?

総合減速比とトルクの関係

減速比 説明図

トランスミッションやデファレンシャルを構成している歯車の作用は、てこと同じです。力点がエンジン、作用点をタイヤとすると、その関係は図のようになります。

総合減速比が大きいと、エンジンの回転数は多いですが、タイヤの回転数は少なくなります。けれどもその分、タイヤから出る力はエンジンから出ている力よりも大きくなります。

逆に総合減速比が小さければ、エンジンの回転数は少なく、タイヤの回転数は多。そしてタイヤから出る力はエンジンから出ている力よりも小さくなります。

つまり、同じエンジンの回転数ならば、総合減速比が大きいほうがトルクは高くなるのです。

最終減速比とトルクの関係

カスタマイズの一種として、デファレンシャルのギアを入れ替えて減速比を上げる方法があります。「トルクが上がる」と言われますが、本当でしょうか。

結論から言うと、トルクは上がります。総合減速比は変速比と減速比をかけたものですから、減速比が大きくなれば総合減速比も大きくなります。総合減速比とトルクの関係は上で述べた、てこの原理の通りです。

最終減速比(減速比)を上げ、総合減速比が大きくなればタイヤから出る力は大きくなります。つまりトルクは上がります。

総合減速比と加速の関係

総合減速比が大きくなるとタイヤのトルクが上がります。ではタイヤのトルクが上がると何が起こるのでしょうか?

トルクが上がると、車はより力強く加速していくことになります。例えば高速道路などを走っていて、さらに加速をしたいとき、アクセルを強く踏んでキックダウンという動作を行うことがありますよね。

これはアクセル操作によってギア段を下げ、変速比を大きくすることで、総合減速比を大きくしているのです。最終減速比を上げて総合減速比を上げるのと同じ理由です。

ただし最終減速比はギア段のように走行中に切り替わるものではありません。通常より低いギア段でずっと走るような状況となり、最高速度が落ちてしまいます。

CVTの変速比は?

Super CVT-I 自動無段変速機

最近はカタログに変速比が書かれていない、CVT(無段変速機)の車も増えてきました。CVTの場合、変速比はどのようになっているのでしょうか?

CVTにも変速比は存在しています。しかし歯車を使って1速、2速と切り替えているのではなく、カラーコーンのような円錐状のものにベルトをかけてとても滑らかに変速が行えるようになっているのです。

コーンのどの位置にベルトをかけるかは、ある程度決まっています。
よって変速比は存在するのですが、その切り分けは非常に細かく、カタログなどには載せられていません。

変速比や減速比を知ることで楽しい車選びを!

歯車 画像

出典 :©Shutterstock.com/femme

車のカタログなどに書かれている変速比や減速比。一見するとわけの分からない数字ですが、その意味を知れば、車選びはもっと楽しくなると思います。

車に関する知識が豊富であればあるほど正しく、楽しい車選びをすることができます。ぜひ様々なカタログを見比べながら、車の性格を読み解いてみてください。

MOBYでは他にも様々な車の仕組みをご紹介していますので、ぜひご覧下さい。

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