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新古車・未使用車とは|新車との違いと価格はいくら安くなるのか?

中古車展示場で「新古車」や「未使用車」と表示した車を見かけたことはありませんか? 新古車・未使用車とはどんな車なのでしょうか? 新車と較べて価格メリットは? どうしてこんな車が発生するのか? その辺の裏事情を見てみましょう。

新古車・未使用車って何?新車との違いは?

新古車・未使用車の違いとは?

出典 :©Shutterstock.com/Solcan Sergiu

一般に「中古車」と云うのは文字通り「中古」になった車です。
誰かが使用していた車が買い替えの際に下取りに出された車や、事情によって買取りなどで手放された車をいいます。

自動車が一般公道を走行するためには、ナンバーをつける(登録する)必要があります。
普通「新車」という時は、「中古車」では無く、「まっさらの車」のことをいいますね。

しかし世間の感覚とは矛盾するようですが、まっさらの新車にナンバーをつける(登録する)と、その時点で、その車は分類上では「中古車」となります。

新車にナンバーを付けただけで、全く使われていなくても、分類上は「中古車」です。しかし、中身は「新車」と一緒だから、そんな車を以前は、「新古車」と呼んでいました。

公正取引

出典 :©Shutterstock.com/Zerbor

しかし、「自動車公正取引協議会」が、ユーザーに新車と誤認させる恐れがあるとの理由で、「新古車」という言葉は「不当表示」に当たるとして使えなくなり、「未使用車」という言葉を使うようになりました。

「新古車」や「未使用車」とは、一旦ナンバーがついた(登録された)車だから、分類上は「中古車」でも、新車にナンバーが付いただけの、実際には使用されていない車を指します。

「新古車」、「未使用車」と呼ばれる車は、バツイチとなって戸籍こそ傷がついていますが、それ以外は全く新車と変わらないといえます。

走行距離にしても、車載車で直接ディーラー店頭に運ばれた車なら、あるディーラー店頭の在庫車で、別の店舗へ自走で回送された「新車」よりも、少ない場合もあります。

もちろん価格は新車よりもお買い得です!さあ、どうしましょう?

新古車・未使用車はどうして生まれるの?

中古車

出典 :©Shutterstock.com/Pincasso

では、どうして新古車・未使用車になるのか、新車との違いはどこにあるのかを見てみましょう。

仮に新車で、「店頭価格が200万円、一般的な値引き枠が10万円程度」で取引されている車種があるとします。

その車と同じ車種、機種で、「新古車」または「未使用車」と表示されている車で、一般の値引きの倍近くも安く手に入るとしたら、あなたはどうします?
「ナンバーがついただけ」で、「車載車で運ばれて来たので、走行距離メータも10km未満」や「全く使用された事の無い」車で、同じ車種、同じ機種、装備でも、イヤですか?

とはいえ、価格を優先して、新車にこだわらず、こんな車を求めるお客もあります。
そんな新古車が誕生するのは、ディーラーの「シェア目標」と大きく関係します。
メーカーから任された「市場責任」に対して、何とかその目標台数を達成して責任を果たしたいディーラーの苦しい内情が背景にあります。

新古車・未使用車が誕生するディーラー側の事情

ディーラー側の事情

販売会社(ディーラー)には、担当する地域に対する「市場責任」として販売目標(ノルマ)があります。

「販売目標台数」以外にも、「他銘柄代替え促進奨励金」(ライバル他社を下取りして自社のブランドの車に入れ替えればもらえる奨励金)など、メーカーは、ディーラーに対していろいろな奨励策を準備しています。

目標台数ノルマを課して、その台数を達成すればもらえるのが「台数達成奨励金」です。
例えばメーカーが、月間ノルマ100台のディーラーA社に対して、「目標達成したら、台当たり1万円支給します」と伝えたとします。
金額はあくまで仮定の数字と考えて下さい。

A社はノルマの100台を達成すれば、100万円が手に入ります。
しかし、99台でストップすれば、一銭も支給されません。
その上、「目標未達成」で、地域の販売責任者会議の席上でも肩身の狭い思いをしなければなりません。

もし貴方がA社の販売責任者で、月末までの台数見込みがどんなに検討を加えて見ても、95台しか見込めなかったら、どうしますか?
95台でストップなら0円、100台達成なら100万円になります。
そこで、もし買い手のついていない5台を、関係者の名義とかを使って登録するとします。

この5台のお蔭で、もらえないはずの100万円が手に入る訳ですから、たとえこの100万円を手許に一銭も残さなくても、1台当たり20万円をこの5台の処分に使えば、「ノルマ達成!」となりますね。

昔は安易に台数合せが可能だった

昔は軽自動車は車庫証明が必要ではなかったので、月末に台数合せの登録(軽の場合は届出)が集中しました。

その結果、ディーラーの所属する販売店協会では、本当に必要な社用車やデモカーの登録は事前に申告しておくことになったりして、月末にあわてて台数合せのために登録する事は難しくなりました。

車庫証明や登録名義人も、ある程度月末最終集計の結果を予測して、準備をすすめておく必要もあります。

奨励金を全部使うなら、95台でストップしても良いではないかとの考え方もあるでしょう。

しかしメーカーが打ち出す他の政策にも関連しますし、なによりも営業責任者にとっては、目標達成できたのか、未達成だったのかは極めて大きな問題なのです。

営業責任者会議

全国の販売店の営業責任者会議などの場面では、目標を達成したディーラーと未達成のディーラーでは、極端な場合には、席の配置や扱いが違うこともありますし、そうで無くても未達だと「肩身が狭い」のです。

新古車・未使用車として登録する際の費用は、その車が売れたときの「中古車登録関連費用」で、自動車税のように未経過の分はお客が負担する部分もあります。

台当たり20万円を原資に使えば、一般的な新車値引きより、お客が納得できるだけの割安な価格を設定することは可能です。

そんな事情から、「新古車」や、「未使用車」などと云う車が発生するのです。

新古車・未使用車もいいかも知れません

中古車販売

出典 :©Shutterstock.com/izzet ugutmen

新車が欲しいけれど予算との兼ね合いが少しツラいなら、新古車・未使用車も検討すると良いでしょう。中古車センターに並んだいろんな仕様の中から、中古車を探しに行った場面を想像して見て下さい。

中古車を探している人は、自分なりの仕様・装備の車をイメージして、その装備が備わっているか気にしています。せっかく価格は安くても、自分で必須だと考えている「カーナビ」が付いていないとします。

そこで、頭の中で、「純正カーナビは後付で可能か?」とか、「社外品のカーナビ」を用品専門店で幾らなら付けられるだろうか?」、「純正品とくらべてどうだろうか?」と考えて、購買意志を固めてゆきます。

ディーラーが「新古車」にする車種を選ぶ場合にも、中古車市場で評価される装備・仕様や色目を選ぶので、この面でもお得感がある車が出現する確率が上がります。
「新車」にこだわらないなら、選択肢のひとつに加えてみるのも良いでしょう。

新古車・未使用車の価格はいくら安くなるのか

お金と電卓

はっきり云って、これはまちまちです。とはいえ「まちまち」では少々不親切ですのでもっと具体的に解説しましょう。

まずどんな要素が価格のバラつく原因になるのかを考えて見ます。

たとえば首都圏と地方都市での「月極駐車場料金」を考えて見ましょう。
東京23区で1番高い中央区で月額52000円、5番目の台東区で37000円、10番大田区30000円、15番世田谷区28000円、20番板橋区、24000円、ラスト練馬区18000円との相場データがありました。

もし首都圏では3万円だとすれば、地方都市では1万円以下でも沢山見つかるはずです。そんな土地柄で借地で中古車販売店を開いたとしましょう。

中古車センターに並べて、1ヶ月売れなければ3万円の駐車代金が必要なエリアと、1ヶ月で例えば1万円のエリアなら、毎月2万円の差額が発生します。実際の中古車展示場では、月極車庫の専有面積程は不要ですが、それでも確実に月間1万円は違います。

新古車・未使用車は「中古車」ですから、販売店の管理コスト計算や、販売店が担当するマーケットの状況、その他いろいろな要因が重なって、値付けされるからです。

次に具体的な車種を例に挙げて、新古車・未使用車の価格の相場をご紹介いたします。


アクアの新古車・未使用車の場合

トヨタ アクア

具体的に市場の条件を幾つか調べて見ましょう。

トヨタ・アクア15S、新車価格188.7万の場合は、たとえば2016年8月登録の車でも159.8万と176.9万と結構値幅が大きいこともあります。

その一方で、2016年10月登録の169.9万、また2015年11月登録の車は149万になっていました。

一番車検期間が長い10月の車より8月登録の車が高いケースや、去年11月に登録して、そのまま売れずに年式遅れとなって、一番安くなっているケースもあります。

本来であれば、車検残存期間が長い方がより高く売れて当たり前ですが、新古車を作った販売店の事情や、そのディーラーの所在エリアの市場特性もまちまちで、一概にいえません。

勿論、ボディ色といった、いろいろな要因も関連します。

ノートの新古車・未使用車の場合

日産 ノート

日産ノートX、新車価格149.58万円の場合は、2016年2月登録の車で109.8万円、2016年4月の車は、申し合わせた様に117.8万円の値付けの車が多く、2016年8月の車で123.8万円となっていました。

車検の残存期間が半年少なくなると、順当に販売価格も下がってきています。
しかし、2016年3月の車が125万円の値がついており、8月登録車よりも高い値段がついた車もあります。

フィットの新古車・未使用車の場合

ホンダ フィット 外装

ホンダ・フィット13G Fパッケージ、142.5万円の場合は、2016年2月登録と7月登録が同じ119.8万円、2016年9月登録が139.8万円します。

7月登録と9月登録の差が20万円もあって、新車と殆ど変らない価格を付けているケースもあるので、いざこの車種の新古車を検討しようと決めたら、こまめに情報を調べたり、展示場を回って見る必要があると思います。

新古車・未使用車になる車

受注が殺到して、納車待ちの人気車種を、わざわざ新古車にする事はあまりありません。

それでも、少し変わった色の新車を受注していたのが、お客の都合で別の色に変更されたりすると、下手に在庫車として抱え込むよりも、新古車にしてしまう場合もあります。

先に説明した様に、ディーラーが販売目標台数をクリアするために、仮の登録名義人として、関係者の名義などを使って新車を登録して、これを新古車として販売するのです。

受注が殺到している車種であっても、少し変わった色目で直ぐに次のお客に回せる機会がすくなければ、長期在庫予備軍の車と割り切って、新古車として登録するのです。

新古車・未使用車になったらディーラーは早く売れて欲しい

2月にディーラーがメーカーから新車を引き取り、キャンセルとかで売れずに新車のまま在庫して、例えば6か月間在庫後の8月に、ようやく正規のお客がついて登録しても、この車は8月登録の「新車」ですから、初回車検まで3年間乗れます。

ところが、その時いっしょにメーカーから引き取った新車を、ノルマ達成のために新古車として登録した場合、そのまま売れなくて3か月後にようやく売れたら、この車は初回車検まで2年9カ月しか乗れません。

既に登録したので、在庫期間中の自動車税もかかります。だからディーラーは、新古車は早目に処分したいのです。注文が殺到する様な車種なら、多少色目が一般的で無くても、十分さばけるのです。

バツイチを気にしないなら新古車・未使用車はお得です

バツイチを気にしないなら新古車・未使用車はお得です

出典 :©Shutterstock.com/Anetlanda

ディーラーは新車販売では、メーカーの日本市場全体を見渡した上で、競合他銘柄対策や、下取り強化策等の、いろいろな販促インセンティブを活用しながら、市場責任を果たす努力をしています。

昔は値引き条件が他に拡散することは稀で、ここ一番の商談では、ソロバンに合わない程の条件が提示される場面もありました。

しかしネット社会の昨今、その車に固有の原因が有って、特別条件が提示された様なケースでも、値引き条件が独り歩きする恐れもあるので、相場を乱す様な販売条件は、あまり期待できません。

しかし「新古車」はあくまで「極めて程度の良い中古車」なのです。すぐに処分できると考えて、台数合せのために「新古車」を作ったけれど、在庫になってしまうのではディーラーにとっては大きな誤算です。

ディーラーは自社の中古車部門で販売する他、専門業者へ転売するケースもあり、「新古車」、「未使用車」専門の業者も存在します。

そんな訳で、バツイチさえ気にしなければ、お買い得です。まったくの新車販売での、販売現場の一般条件との間合いも考えながら、新古車の販売価格は決定されますが、バツイチの分だけは、確実に安く手に入ります。

新車と真剣にくらべて見ましょう

最初は選択肢に入ってなくても意外に良い印象の色も

新車と新古車・未使用者の比較

出典 :©Shutterstock.com/tatianasun

新古車・未使用車が誕生する背景は、お分かり頂いたと思います。

新車にこだわらないで欲しい車があったら、ボディカラーや、装備品の許容範囲を少しだけひろげて、真剣に探してみてはいかがでしょう?新古車・未使用車は価格的には絶対割安です。

希望の車種、グレードで装備も希望通り、色だけが違う車を見つけたら、その色がどうしても自分の好みに合わないのでなければ、一度本気で新車を購入するコストなど、再計算して見ると良いと思います。

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この記事の執筆者

沢ハジメこの執筆者の詳細プロフィール

運転歴は50年を超え、自動車メーカー勤務と系列販社6社への出向・駐在での経験、リタイヤ後に勤務した米国日本法人での自動車メーカー、関連部品メーカー向け試験装置営業を通じて、国内はもとより海外の業界事情も通暁しています。 好きな車はコスモスポーツ(L10B)です。...