ワンオフマフラーとは?製作手順から価格や車検の通過基準についても

ワンオフマフラーを制作することは、愛車に世界に一つだけのマフラーを装着できるという、車好きの夢の形とも言えます。実際にワンオフマフラーを制作、装着するとなると、どのような手順で制作され、いくらぐらいの価格になるのでしょうか。そして、守らなければならない法令などはどこに気をつけるべきなのでしょうか。徹底解説します。

ワンオフマフラーの「マフラー」とは?

マフラー

出典:©Shutterstock.com/Rattanapon Ninlapoom

マフラーとは、車の後方から出ている円形状の筒です。
マフラーは、エンジンから出る排気ガスの清浄、エンジンから出る音の消音を主に行っている部品です。マフラーが無いと、環境や人体に悪いガスが大気へ放出されてしまい、音も車の近くでは会話が聞こえない程になってしまいます。

マフラーには「メーカー純正品」と「社外品」がある

自動車の用語で部品には大きく別けて2つあります。それが「純正品」と「社外品」という言葉です。
「純正部品」とは、自動車メーカーが直接又は提携工場で自動車メーカーの設計の元、製造販売されている部品です。
「社外部品」とは、自動車メーカー以外の自動車部品メーカーが設計を行い、製造販売している部品になります。
純正部品は、自動車メーカーの部品販売部門から整備工場を通じて取り寄せを行うのが一般的な購入方法で、社外部品はカー用品店などで購入するのが一般的です。
カー用品店でマフラーに限らず、ホイールや芳香剤、シートカバーなど多数展示されているのを見たことはありませんか?あの商品のほぼ全てが社外部品となります。

ワンオフマフラーは社外品

ワンオフマフラーはその車に合わせ、車のオーナーの要望をかなえる形で専門業者が作成します。
自動車メーカーでは、車一台一台に合わせたワンオフマフラーの製作は取り扱っていないため、必然的に社外品のマフラーとして製作・購入することになります。

マフラーを交換する目的

マフラーを社外部品に交換する目的には、いくつかあります。
1つ目は、排気効率の向上です。純正のマフラーの内部には排気効率を低下させエンジンの出力を下げる抵抗があります。その1つにマフラーの太さもあります。
排気効率を低下させている抵抗を取り除き、太くすることにより排気効率が上がりエンジンのパワーが向上します。
2つ目は、ドレスアップです。純正の細いマフラーよりも社外部品の少し太い方がバランスも良く、カッコいいリアビューになります。

ワンオフマフラーとは

ワンオフマフラー 製作 手順 素材

出典:http://www.gf-eng.co.jp/

ワンオフマフラーのワンオフとは

そもそもワンオフマフラーの「ワンオフ」とは、どういう意味なのでしょうか?
ワンオフという言葉は、工業製品に使われる専門用語で辞書にも載っていません。一般的に工場のラインで作られた物を「LINE OFF」と言い、一回限り又はこの為にだけ造られたオンリーワンからワンオフという言葉が生まれたと言われています。
自動車に限らず、1つの為だけに作られた物をワンオフ部品と言います。

ワンオフマフラーのメリット

ワンオフマフラーは形や太さ、素材、音量、色など全て選ぶことが出来ます。一般的なマフラーは円柱形状ですが、四角や三角、ハート型に作ることも出来ます。音量も純正部品同等から大音量、爆音まで可能で自分の思い描く物が形となります。
基本的にワンオフマフラーは車種を問いませんので、市販品に設定されていない車種やグレードへも対応しています。
一番のメリットは自分の思い描く物を形にして自分の為だけに作られるというプレミアム感というところです。

ワンオフマフラーのデメリット

自分の思い描く物を、自分の為だけに作ってもらうので、市販品に比べれば高額になります。
作る部品数や素材にもよって変動しますが、市販品は3万円ぐらいから買えますが、ワンオフ品は8万円ぐらいからになります。
製作してくれる工場も限られますし、注文出来るお店も限りがあるので、注意が必要になります。

どんなマフラーでも車検に通る?

ワンオフマフラー 車検 音量 検査

ワンオフマフラーの制作には、必ず守らなければならないものがあります。
それが「道路運送車両法」と「保安基準」になります。
これらを守らないと車検には通らない、つまり一般道を走ることはできません。
それぞれの内容を解説します。

道路運送車両法とは

車が道路を走る上で部品が保安基準にしているか、車の状態が安全に走れるかを定めた法律で、車検はこの法律に則って行われます。
マフラーについては、道路運送車両法では以下のように規定がなされています。

道路陸運車両法 第3章 道路運送車両の保安基準

第41条 (自動車の装置)
自動車は、次に掲げる装置について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。
第41条の11 消音器その他の騒音防止装置
第41条の12 ばい煙、悪臭のあるガス、有毒なガス等の発散防止装置

出典:http://law.e-gov.go.jp/

保安基準とは

道路運送車両法 第3章で定められた「道路運送車両の保安基準」において、技術的かつ具体的な定義を定めた規定になります。
実際の車検はこの規定に則って検査が行われており、ワンオフマフラーの構造や音の大きさなども検査されます。
これらには、厳格な規定が定められており、必ずクリアしなければ一般道を走ることはできません。

道路陸運車両法における道路運送車両の保安基準

第30条 (騒音防止装置)
自動車は、騒音を著しく発しないものとして、構造、騒音の大きさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

出典:http://www.mlit.go.jp/

保安基準:触媒装置の装着

マフラーに装着される触媒装置はキャタライザーとも呼ばれ、車体底面の、エンジンから伸びるマフラーの中間を立方体に膨らませた様な形状をしています。
エンジンの排気から出る煤等のゴミや、環境破壊に繋がる成分の除去装置になります。
これを装着していないと、整備不良となり車検に通りません。

保安基準:音量

ワンオフマフラーに限らず、マフラーの出口から出る排気音の音量が96db以下でなければなりません。
カー用品店や整備工場で測ってもらうことができます。
マフラーには、排気音を押さえる「サイレンサー」というものがついており、これが無かったり、適性に働かないと非常に大きな音になります。
ワンオフマフラーは純正部品のマフラーよりも音量が大きくなりますので、特に気をつけなればなりません。

保安基準:形状

ワンオフマフラー 車検 はみ出し

出典:http://www.jasma.org/

ワンオフマフラーを制作しても、鋭利な形状や車体から飛び出している状態ではいけません。
歩行者との接触やそれに伴うケガ等を防止するために、車体からのはみ出しや形状には十分注意しましょう

保安基準:車高

ワンオフマフラーを制作するにしても、社外マフラーに交換するにしても意外に盲点になるのがこの車高です。
車高というのは、車検時の最低地上高を指し、車体の一番低い部分が地上から9㎝以上ないといけません。
例えばワンオフマフラーを制作してから、車高を下げるカスタマイズをすると、形状によっては最高地上高を下回ってしまう場合があります。
当然車検に通らなくなりますので、注意しましょう。

ワンオフマフラーの制作手順

ワンオフマフラー 製作 手順 溶接

出典:http://www.zees.co.jp/

ワンオフマフラーはその名の通り、一つだけのマフラーです。
そのため、製作を依頼するにあたっては、使用する素材や形状、出口のパイプの数などを細かく業者の方と相談をする必要があります。
車は車体によってマフラーのレイアウトはバラバラですし、素材や音量によっても対応が異なります。

ワンオフマフラーはどの部分を制作してもらうのか

ワンオフマフラーの制作は、大きく分けて、触媒以降からテールパイプまで、サブサイレンサーからテールパイプまで、メインサイレンサーとテールパイプのみの3種類に分けられます。
どこから制作してもらうのかによっても価格は変動します。

テールパイプの形状

ワンオフマフラー 製作 テールパイプ

出典:http://car-gallery.com/

リアバンパーから見える、排気出口です。以下のことをしっかりと伝えましょう
・テールパイプは1本なのか、複数本なのか。
・左右どちらかに寄せる片側出しなのか、左右にテールパイプをレイアウトする左右出しなのか。
・業者によっては、テールパイプの向きが車体真後ろよりも外側に向けることができたり、テールパイプの先端を下方向に曲げたりすることもできるので、それを確認しましょう。

メインサイレンサーの形状

テールパイプの根本にある、膨らんだ部分です。この形状や大きさでも音量や音質が変わりますので、しっかりと相談しましょう。
メインサイレンサーは大きくなりやすいので、最低地上高との兼ね合いも要チェックです。

中間サイレンサー

ワンオフマフラー 製作 テールパイプ サブサイレンサー タイコ

出典:http://car-gallery.com/

メインサイレンサー同様に、車検に適合するために音量を下げる意味でもとても重要なパーツです。
ワンオフマフラーを制作している業者であれば、メインサイレンサー同様に形状を選べたりします。
こちらも最低地上高には注意しましょう。
コインパーキングや段差でうっかり傷つけやすい個所でもあります。

ワンオフマフラーの素材

基本的にはステンレスやチタンなどが使用されます。
ステンレスは熱に強く丈夫で、チタンは軽量などといったメリットがあります。

それぞれの特徴と共に、自分のドライビングや希望の音にあった素材をチョイスしましょう。

その他サービスの確認

業者によっては刻印をしてくれたり、テールパイプを青白く焼き入れしてくれたりと有料ではありますがサービスを追加してくれるところもあります。
お店の方とよく相談しましょう。

製作:車両預入

ワンオフマフラーは、要望に合わせて0から作成します。
そのため、現車合わせと言って、工程の途中で何度もその車にあっているかどうかを確認します。
ワンオフマフラーを制作するには、業者によりますが数日間は車を業者に預けることになりますのでよく確認しましょう。

制作:溶接と取り付け

ここからは業者による職人の仕事です。
ステンレスの素材を加工し、溶接し、ワンオフマフラーを制作していきます。
制作の際はレイアウトだけでなく、音量やはみ出しといった保安基準の適合も慎重に調整し、作成していきます。

ワンオフマフラー完成後に車両引き渡し

ワンオフマフラーのすべての作業と検査が完成したら、晴れて、世界に一つだけのマフラーを装着した愛車が戻ってきます。
自分のこだわりが詰まった愛車のサウンドは感動もひとしおです。

ワンオフマフラーの価格や製作期間

ワンオフマフラー 製作 手順

出典:http://car-gallery.com/

ワンオフマフラーは、一点モノの注文ですから、相応の価格と時間を要します。
まずは見積もりから始めて、目標金額を貯めるのも方法のひとつです。

ワンオフマフラーの価格

ワンオフマフラーの価格
ワンオフマフラーは車種や形状、希望の音質、使用する素材によって値段は大きく変動するため、一概に適正な価格はありません。
目安としては以下のようになります。

片側1本出しワンオフマフラーの価格例

ワンオフマフラー 製作 メインパイプ サイレンサー テールエンド

出典:http://www.kakimotoracing.co.jp/

参考価格 90,000円(税抜)~

<内容>
・テールパイプ
・メインサイレンサー
・メインパイプ
・サブサイレンサー
・ステーその他
・工賃

左右2本出しワンオフマフラーの価格例

ワンオフマフラー 製作 2本出し サイレンサー メインパイプ

出典:http://www.kakimotoracing.co.jp/

参考価格 150,000円〜(税抜)
<内容>
・テールパイプ×2
・メインサイレンサー×2
・メインパイプ
・ステーその他
・工賃

車によって車検のためにかかるお金がある?

必要な費用 20万円~30万円

車の製造された時期によって、ワンオフマフラーが車検に対応していても、適正な手続きをしていない車がそれを装着した場合、車検に通らなくなります。
平成22年4月(2010年4月)以降に生産された車は、加速騒音規制適応車といって、マフラーの機能そのものに規定を設けています。
そのため、排気音量(近接騒音)以外にも、走行騒音も公的機関で計測した、性能等確認済みマフラーの事前承認を取得しない限り、絶対に車検対応にはなりません。

ワンオフマフラーの製作を行う業者で認定取得は可能ですが、その為の費用が別途掛かりますので、よく相談しましょう。

尚、自分の車が加速騒音規制適応車かどうかは車検証を見ればわかります。
わからない場合でも、車検証をお店の人に見てもらえばすぐにわかります。

日本自動車スポーツマフラー協会での告知

平成25年4月1日より、平成22年4月1日以降に生産された車両が、初めて車検を迎えることになります。これらの車両に装着されているスポーツマフラーは「事前認証」を取得したマフラーでないと、車検を受けることができません。

出典:http://www.jasma.org/

ワンオフマフラー製作にかかる日程

車の預入にかかる期間 1日~1週間(業者によって異なる)
代車の有無については業者に依りますが、長期の場合は貸出しが有る場合が多いです。

ワンオフマフラーの製造には時間がかかるため、カー用品店等で販売されているマフラーを取り付けるのとは違い、どうしても時間がかかります。
0から現車合わせで製作する場合は、何度も取り付け確認をしたりするので、数日から1週間はかかるものだと考えましょう。

ワンオフマフラーは車好きの夢の形

ワンオフマフラー

出典:©Shutterstock.com/Alex Tihonovs

ワンオフマフラーの解説はいかがでしたか?
マフラーから奏でるサウンドは車種やエンジンによって異なりますが、ワンオフマフラーによるサウンドは、そのどれでもない、特別なサウンドです。
販売されているマフラーももちろんいいものですが、わざわざ特別に作ってもらうワンオフマフラーは、まさに世界に一つだけ。
取り付ければ、愛車への想いが深まること間違いなしでしょう。
保安基準を守り、自分だけの愛車へカスタマイズしていきましょう。

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