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ターボタイマーって何?今のターボ車に必要?取り付け方と費用も

ターボタイマーとは?

©alexlmx/stock.adobe.com

ターボタイマーとはターボ車のエンジンをイグニッションをOFFにしても指定した時間の間は(大体1分~30分)稼働できるようにするチューニングパーツです。

そのためキーをOFFにしてクルマを降りて鍵をしめても、指定した時間の間はエンジンは回りっぱなしという、身近で目にする機会が少ないシュールな光景となっています。

完全にアフターパーツの装置となっているため、メーカーの純正部品として装備されているクルマは存在していません。

ターボ車のみに必要なパーツのため、自然吸気エンジンのクルマ(NA車)には全く必要がない装置。これまでNA車にしか乗ってこなかった方はあまり知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

またターボタイマーは現代のクルマには必要とされていないため、存在すら知らないといったユーザーも少なくありません。

ターボタイマーの機能や役割

ターボ車に装着されているタービンは、ユーザーが想像する以上の回転数で走行中は回転していて非常に高温になってしまいます。

そもそもタービンが何かがわからない方は飛行機のエンジンを思い浮かべていただくと分かりやすく、あのグルグル回っているものの正体がタービンです。ざっくり言うとクルマの出力を向上させてくれるパーツとなっています。

話は戻って、エンジンの場合は走行中でも数千回転程度しか回らず、高回転とされるエンジンでも1万数千回転程度です。しかし、タービンの場合は数十万回転も回る場面があります。

そのためタービンは非常に高温になりやすく、高温になったタービンの軸はエンジンオイルにフローティングされていることによって冷却されています。(タービンの軸がエンジンオイルに浮いている状態です)

つまり高温になったタービンを冷やすためには、エンジンオイルを絶えず回してあげる必要があります。

ところが、イグニッションをOFFにしてエンジンを完全に停止してしまうとエンジンオイルの供給も同時に停止されてしまい、高温になったタービンが冷却されにくい状況となってしまいます。

そのため、ターボタイマーを装着することによってイグニッションをOFFにした後でも、エンジンを止めずにエンジンオイルを循環させて、しばらくタービンを冷却することができるようになります。

もし、タービンが高温のままイグニッションをOFFにしたのと同時にエンジンを停止してしまうと、タービンの軸にダメージを与えてしまい、次回以降エンジンを作動してからタービンが回りにくくなったり、最悪の場合は完全に焼き付いてしまったりすることもあります。

ターボタイマーの使い方

ターボタイマーは、イグニッションOFFの後にどれくらいエンジンを回しておくか時間を指定することができます。大体の場合は1分から時間の指定が可能。持続時間は長くても30分~1時間です。

ターボタイマーはどんな車に必要?

ターボタイマーはタービンに非常に強い負荷をかかるチューニングカーなどに必要とされています。

チューニングカーはサーキットのスポーツ走行などで高速走行をする機会が多いため、普段乗り使いのユーザーと比べて、エンジンとタービンの両方とも高回転域の部分を使用してしまいます。

そのためタービンが高温になることが多く、それを対策するためにチューニングパーツメーカーがターボタイマーを販売しています。

現在はチューニングパーツメーカーの「HKS」「トラスト」など主要なメーカーから入手可能です。

ターボタイマーの代わりにアフターアイドリングを行うことも

もしターボタイマーがない場合でも、アフターアイドリングと呼ばれる行為をすることによってタービンを守ることができます。

アフターアイドリングとは、高速走行やスポーツ走行後にすぐにエンジンを切るのではなくて、そのままアイドリング状態のまま放置して、タービンの冷却を促すことです。

つまりターボタイマーが担っている役割を人力によって制御してあげる行為がアフターアイドリングというわけです。

アフターアイドリングによって放置する時間はターボタイマー同様、1分~数十分程度で良いとされています。

ターボタイマーは今の車に必要か?

現代のクルマはタービンの精度や強度が飛躍的に向上していて、高温になっても十分に耐えられるスペックを備えているため、ターボタイマーやアフターアイドリングは必要ないとされています。

具体的には、タービンの回転部分に存在しているベアリングなどの性能向上が大きく貢献しているため、ターボタイマーレスでエンジンをすぐに停止したとしてもタービンにダメージが届きにくいようになっています。

さらに、現代車に搭載されている機会が多くなったダウンサイジングエンジンにより、ターボ車の技術が見直され一般車においても十分に高温に耐えられるタービンを備えています。

一般車に限らず、現代チューニングカーにおいても以前ほどタービン冷却に気を遣う必要がなく、少しクーリング走行をしてあげるだけで十分という見方が各チューニングメーカーやエンジンオイルメーカーからされています。

そのため、ターボタイマーは00年代~90年代以前のターボ車にのみ必要されていて、現代車を扱うユーザーにとっては全く必要がない装備となっています。

今の車でターボタイマーを付けている人はいる?

現代のクルマでターボタイマーを装着しているユーザーは、00~90年代以前に製造されたクルマのチューニングカーにほぼ限定されています。

街中でそれらしきクルマに出くわした時や、高速道路のSAやPAでクルマから降りたのにエンジンが回りっぱなしのクルマを見かけたときはターボタイマーの存在を思い出してみてくださいね。

ターボタイマーの取り付け方と費用

©Kabardins photo/stock.adobe.com

チューニングカーに必要とされるターボタイマーですが、前述したとおり「HKS」「トラスト」などから販売されています。

もし取り付けたい!という方はターボタイマーを購入する前に一度、まずはチューニングショップに相談して取り付けが可能かどうか相談するのがおすすめです。メーカーの純正部品ではないので、ディーラーよりもチューニングショップなどに持ち込むほうが間違いないでしょう。

ターボタイマー自体は1万~3万円ほどで入手することができ、取り付け工賃なども含めるとおおよそ5万~8万円程度となっています。

もしDIYでターボタイマーを取り付けたい場合はご自身でよく調べた上で挑戦してみてくださいね。

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執筆者プロフィール
だいち
だいち
1998年生まれ。高知県出身のリアルレーサー&バーチャルレーサー。フォーミュラリージョナル、FIA-F4、スーパーFJなどのミドルフォーミュラや、マシン開発&タイヤ開発ドライバーとしての経験が豊富。現在の愛...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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